米銃器メーカーの老舗「コルト」、破綻の恐れ 資金繰り悪化

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ニューヨーク(CNNMoney) 米国の銃器メーカーの老舗である「コルト」で資金繰りが悪化し、近く経営破綻に追い込まれる事態に直面していることが11日までにわかった。5月中旬には1090万ドルの債権利払いの期限に対処出来ない事態となっていた。

同社は社業継続への懸念が深まっていることを認め、破産法の適用を申請する可能性に触れた。社債の利払いについては今年6月14日まで約1カ月間の猶予期間が与えられ、その後は保有者と話し合って合意することが求められている。

銃器産業アナリストによると、同社の業績は経営陣の指導力不足もあって最近悪化。商品の開発力もコンパクトで軽量を好む時代の流れに乗り損ねたとされる。

同社と融資銀行団との間では債務整理で合意が既に成立。ただ、一部の社債保有者が価格を額面の45%にする交渉を拒否した。損失を招くような取り決めを一切退ける立場を主張しているという。

「スミス&ウェッソン」や「スターム・ルガー」といった大手の銃器メーカーがコルト社の買収に動く可能性もある。そうなった場合、社債保有者らは全額もしくは大半の投資額を回収出来る好機が生まれると判断しているともみられる。

同社が抱える負債額は社債分で2億5000万ドル、その他の債務分が1億200万ドルとされる。

米コネティカット州ウェストハートフォードに本拠がある同社はサム・コルト氏が創業したもので、西部開拓時代の1840年代以降、米国でも最も有名な銃器メーカーとの評価を得ていた。多数のハリウッド映画にも登場、人気映画の007シリーズの主人公ジェームズ・ボンドも使う場面があった。

米陸軍は1911年、コルト社の45口径の半自動式短銃を標準装備品に指定し、80年間以上、使われてきた。この他、AR15、M16、M4やM203グレネードランチャーなど軍用のさまざま武器の製造に関与。ただ、アフガニスタンやイラクでの軍事作戦の縮小に伴い、軍の需要を頼りとする経営形態が根拠を失っていた。

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