中国船の放水銃でフィリピン船が破損　南シナ海

（ＣＮＮ） フィリピン沿岸警備隊によると、南シナ海のスカボロー礁付近で３０日、同国の船舶が中国海警局の船から放水を受けて破損した。

発表によると、沿岸警備隊と漁業水産資源局の船各１隻が「合法的な」巡回中に被害を受けたという。

沿岸警備隊が提供した映像には、中国船２隻から放水銃が発射される場面が映っている。同隊の報道官は声明で「フィリピン船に対し、中国海警局の船４隻と海上民兵の船６隻による危険な作戦行動と妨害行為があった」と述べた。

沿岸警備隊船の手すりと天蓋（てんがい）が破損したが、けが人の報告はなかったという。

スカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域（ＥＥＺ）内に位置するが、中国の実効支配下にある。

中国海警局は同日、中国のＳＮＳ「微博（ウェイボー）」への投稿で、「不法侵入」のフィリピン船を合法的に排除したと発表した。

フィリピン側はさらに、中国がスカボロー礁への入り口全体をふさぐ全長３８０メートルの障害物を浮かべ、通航を妨害していると指摘した。

南シナ海では３月にも、セカンド・トーマス礁へ向かっていたフィリピン海軍の補給船が中国海警局の船からの放水で大きな被害を受けた。中国側はこの時も、フィリピンの不法侵入に対して合法的な抑制措置を取ったと発表していた。