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ピカソのスケッチを空港で押収、価値6400万円 スペイン・イビサ

スペイン・イビザ空港で押収された絵画は同国の画家ピカソの作品とみられる

スペイン・イビザ空港で押収された絵画は同国の画家ピカソの作品とみられる/Civil Guard/Handout/EPA-EFE/Shutterstock

スペイン・イビサ島の当局は、旅行者が空港の税関で申告しなかった46万ドル(約6400万円)あまりの価値がある画家パブロ・ピカソのスケッチを押収した。スペイン税務当局と治安警察が共同声明で明らかにした。

スイスからのフライトでイビサ島に到着したこの男性は当初、スケッチを価値の低いコピー品に見せかけようとした。しかし、男性の荷物から発見されたギャラリーの請求書からは、このスケッチが本物である様子が示されていた。

事件は今月初旬に発生したが、署名入りのスケッチが本物のピカソ作品であることを示唆する中間分析結果を待って18日に詳細が発表された。

当局によると、フライトの乗客が「疑わしいと思われる状況で美術品を運んでいる」とスイス当局から連絡があったという。イビサ空港の申告なしレーンを通過しようとした男性の荷物を税関職員が調べ、スケッチを発見した。

乗客の荷物のインボイスから、このスケッチは1966年のピカソの作品「Trois personnages」とみられる/Civil Guard/Handout/EPA-EFE/Shutterstock
乗客の荷物のインボイスから、このスケッチは1966年のピカソの作品「Trois personnages」とみられる/Civil Guard/Handout/EPA-EFE/Shutterstock

男性は当初、絵はコピーだと主張し、1500スイスフラン(約21万円)とする手書きの領収書を提出した。しかし、さらなる調査で「Trois personnages」(3人の人物の意味)という1966年に描かれたピカソの作品を45万スイスフランで販売したとするスイス・チューリヒの画廊が発行した別の請求書が発見された。

イビサ島にある現代美術館の館長による初期調査の結果、この作品は本物で、ギャラリーの請求書に記載された額と「一致する」市場価値があることが判明した。

ピカソは1881年にスペインで生まれ、生涯で1万3500点以上の絵画、約10万点の版画などを残したとみられる。スケッチも多作で、オークションでは数万ドルの値が付くことが多く、時には数十万ドルに達することもある。2017年には1940年の作品「Le Viol」がニューヨークのサザビーズで870万ドル近くで落札された。

捜査は続いており、美術の専門家は今後「Trois personnages」のさらなる分析を行う。

スイスなど欧州連合(EU)以外の国からスペインに持ち込まれる品物には、関税と付加価値税が課される。税務当局によると、スケッチの価値は15万ユーロを超えるとみられるため、本件は密輸未遂事件として扱われるという。

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