(CNN) 南欧でギリシャの首都アテネなどの街が23日、北アフリカのサハラ砂漠から飛来した砂に包まれて一面オレンジ色に染まった。一方で北欧はこの日、一部で季節外れの大雪が降り、フィンランドの首都ヘルシンキが銀世界となった。
ギリシャ当局は一時、健康被害への注意を呼び掛けた。気象当局によると、24日午前には砂の飛来が収まり始める見込み。
インターネット上に投稿されたビデオや写真には、アテネ近郊の丘から黄色がかったオレンジ色にかすんだ街を見下ろす人々の姿がうつっている。
夕方の街を歩いて鮮やかなオレンジ色の景色を撮影し、SNSに投稿した人もいる。ある投稿には、アテネが「火星のコロニー」のように見えるという気象学者の言葉が引用された。
地中海東部の島国キプロスも同様の影響を受けている。米航空宇宙局(NASA)は22日、北アフリカ上空の低気圧によって、キプロスには今月中旬、数回にわたり砂が飛来したと指摘した。
NASAの地球観測衛星「テラ」は、22日にキプロスを覆ったオレンジ色の「とばり」をとらえた。NASAは、砂がそのまま地中海を横切り、数日間にわたってキプロスとギリシャに影響を及ぼすとの見方を示した。
ギリシャなどではこれまでも、北アフリカからの砂で視界が悪くなる現象がたびたび観測されてきた。
北欧では一転して、フィンランド南部が20センチを超える大雪に見舞われ、ヘルシンキの公共交通機関に影響が出た。路上では十数件の事故が発生したが、重傷者は報告されていない。
路面電車の路線は除雪作業中だが、除氷剤の散布に使う道具はすでに倉庫に片付けてあったため、作業は難航している。