(CNN) ブラジルのリオデジャネイロで、銀行を訪れた女性が死亡した男性を車椅子に乗せて窓口で借入金を引き出そうとしたとして、警察に拘束された。男性は自分のおじだと女性は主張しているという。
問題の場面は行員が動画で撮影し、SNSで拡散して衝撃が広がっている。
映像の中の女性は、イタウ銀行リオデジャネイロ支店の窓口で、車椅子に乗った高齢男性の頭を支え、手にペンを握らせようとしている様子だった。
警察によると、女性は3000米ドル(約46万円)相当の借入金を引き出そうとしていたとされる。借り入れは承認済みだったが、この男性の署名を必要としていた。
車椅子の男性に反応はなかった。腕はだらりと垂れ、女性が話しかける間も頭はのけぞったままだった。
「おじさん、聞こえる? 署名が必要なの。署名しないとどうしようもない。私が代わりに署名はできない。あなたじゃないと。私ができることはやるから」
女性がそう話しかける様子を見ていた行員が、「この方はご気分がすぐれないようです」と声をかけた。
リオデジャネイロ警察によると、銀行からの通報で到着した救急隊が、この男性は数時間前に死亡していたと判定し、銀行に来た時点で既に死亡していたはずだと指摘した。
女性と死亡した男性の関係については警察が捜査を続けている。
CNN提携局のCNNブラジルによると、家族側の弁護士は、事実は警察の発表と異なると主張。「男性が銀行に到着した時は生きていた。女性は動揺が激しく、投薬治療を受けている」とした。
当局によると、事件についてはまだ捜査中で、立件には至っていない。