(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、兵士の動員を強化する改正法案に署名した。
法案は先週、議会で可決されていた。
新法は18~60歳の男性全員に軍への登録と、登録書類の常時携行を義務付ける内容。政府は兵力補充の効率と透明性を高めるのが目的としている。
海外にいる対象年齢の男性は、最新の登録書類を提示しなければ、領事館でパスポートの更新ができなくなる。
長期にわたって戦闘に参加した兵士の動員を解除する条項は盛り込まれなかった。議会ではこの数カ月、動員期間の長い兵士を交代で一時帰宅させるかどうか、ロシアが再び攻勢を強めるなか、疲弊した兵士の休養は認められるかどうかなどをめぐる議論が続いていた。
法案は最初に提示されてから4000回以上も修正された。議会は最終的に、できるだけ多くの兵士を前線に配置しておくため、動員を3年間で解除するとの規定を削除した。
法案が議会を通過した後、兵士の妻や親族数十人が議事堂の前に集まって抗議し、動員期限を盛り込むよう要求した。
ゼレンスキー氏が率いる与党「国民の奉仕者」は昨年末、軍が50万人の追加動員を求めていると述べたが、軍のシルスキー総司令官は最近、兵士を増員するとしても少人数にとどまるとの見通しを示した。
東部戦線の司令官は先日、ロシア軍の兵員がウクライナ軍の10倍にも上ると指摘していた。