(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で、イスラエル人入植地から行方不明になっていた少年(14)の遺体が発見されたことをきっかけに、13日に数百人の入植者らがパレスチナ人の村を包囲し、襲撃した。目撃者らがCNNに語った。
少年の死因は不明。イスラエル軍は「テロ攻撃」で死亡したと主張するが、証拠は示していない。
パレスチナ赤新月社は13日、計十数人のパレスチナ人が西岸各地の病院に運び込まれたと報告し、その大半が銃による傷だと指摘した。
CNNが入手した映像には、西岸の都市ナブルス南東の村ドゥマで、入植者のグループが民家や車に火を付ける場面が映っている。濃い煙が立ち込めるなか、入植者らが発砲している。目撃者らによれば、入植者が民家に押し入り、パレスチナ人住民と衝突した。
SNSには西岸ラマラの東、デイルディブワンとベイティンでの衝突を映した映像が投稿された。パレスチナ人が入植者に石を投げ付け、イスラエル軍の車両が催涙ガスを発射している。
ラマラ北東の検問所で、イスラエル軍の兵員が増強されたことを示す映像もある。
12日には少年の捜索が進むなか、ラマラ東郊のアルムガイイルの村が大規模な襲撃を受け、現地の保健当局によるとパレスチナ人の男性1人が死亡、約25人が負傷していた。
イスラエルのネタニヤフ首相は、「少年の殺害は重大な犯罪だ」と非難。軍と情報機関が犯人や加担者たちの行方を追っていると述べ、国民にその活動を妨害しないよう呼び掛けた。
ガラント国防相は13日にX(旧ツイッター)を通し、国民に「テロリストの素早い捜索は治安部隊に任せてほしい。報復行為があれば作戦が難しくなる」と訴えて、私的制裁を戒めた。