イラン、イスラエルにドローン攻撃 大使館空爆に報復

イランからの攻撃を阻止するイスラエルの防空システム=13日、イスラエル・エルサレム/CNN

2024.04.14 Sun posted at 10:50 JST

(CNN) イランは13日、在シリア大使館に対する空爆への報復として、イスラエルに多数のドローン(無人機)とミサイルを発射した。

米当局の高官はCNNに、イランからイスラエルにドローン数十機が発射されたと語った。イスラエル軍の当局者は「百機以上」としている。イランの国営メディアも、イラン革命防衛隊がイスラエルに大規模なドローン攻撃を仕掛けたと伝えた。

イスラエルとイランのメディアによると、イランは複数のミサイルも発射した。

イスラエル軍当局者によれば、これに対してイスラエル軍の戦闘機数十機が「イスラエル領空内での防衛任務」で発進した。同当局者は、ドローンが領空に到達する前に迎撃を図っていると述べた。

エルサレムのCNN取材班は14日未明、上空のあちこちで迎撃とみられる多数の爆発音とサイレンが響いていると報告。「どれがミサイルで、どれが迎撃なのかを見分けるのは難しい」「命中の音は聞こえていない」と述べた。

米当局者2人によると、米軍の中東防空システムが複数のイラン無人機を迎撃した。米当局者らは事前に、イスラエルへの攻撃があれば可能な限り迎撃を試みると述べていた。

イランのアシュティヤニ国防相はドローン攻撃の直後、イスラエルのイラン攻撃に領空や領土を使わせた国には「断固とした対抗措置」を講じると予告した。

イスラエル北部ハイファに避難所が開設され、同国と近隣のヨルダン、イラク、レバノンの領空が閉鎖された。イスラエルの文民保護当局は、1000人以上が集まる大規模イベントを禁止すると発表した。

イスラエル・テルアビブの様子=13日

米当局者によると、バイデン米大統領は13日夜、国家安全保障チームと長時間にわたって対応を協議した。国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は、バイデン氏がイスラエルや同盟国の当局者らと連絡を取り続けていると述べ、イスラエルの安全保障に対する米政権の支持は揺るがないと強調した。

イラン国連代表部は14日未明、ドローン攻撃が大使館攻撃に対する報復であることを確認し、この件は「完結したとみなされる」と述べた。そのうえで「イスラエル政権が再び過ちを犯すなら、イランの対応はずっと厳しくなるだろう。これはイランとならず者イスラエルとの紛争であり、米国が介入するべきではない」と強調した。

また、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは13日、イスラエルが占領するゴラン高原でイスラエル空軍の本部に向け、ロケット弾数十発を発射したと発表した。

イランは在シリア大使館がイスラエルに空爆されたとして報復を予告し、パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が中東全体に拡大することが懸念されてきた。

イスラエルのネタニヤフ首相は13日夜の声明で「イランの直接攻撃に備えている」「防衛システムが展開されている。防衛、攻撃のいかなるシナリオにも対応する用意がある」と述べた。

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