(CNN) 中国の保安機構と言えば、愛らしさなどとは程遠い存在だ。ところがこのほど新たに登場した警官は、ずんぐりした脚とにこやかな笑顔、しきりに尾を動かす姿でネットユーザーの心をつかみ、ソーシャルメディアで人気が沸騰する事態となっている。
国営メディアによると、雄のコーギーの警察犬候補「福仔(フーザイ)」が今月、山東省濰坊市で公開された。同市の警察が主催するイベントで、「濰坊警犬」の表示が入ったハーネスをつけて登場した。
中国語で「ラッキーボーイ」を意味する福仔の人気は瞬く間にネットを席巻。中国のSNS「微博(ウェイボー)」に投稿されたある動画は、130万回を超える再生回数を記録した。関連するハッシュタグのついた記事は1600万回近く閲覧されている。
国営メディアによれば、福仔は生後2カ月から訓練を開始。6カ月となった現在は同僚の多くを上回る能力を発揮しているという。
濰坊警察は運営するショート動画のアカウントで、警察犬候補となっている他の子犬を訓練する様子も公開している。
別の動画には、福仔が車の下にある爆竹を見つけるといった訓練を行う様子が映っている。福仔の歩いているところへ一般の人々が群がる一幕も見られる。
3万8000件の「いいね」が付いた動画では、いかにも優秀な警察犬といった風情のジャーマンシェパードがトレーナーと列を組んで歩いている。その最後尾からストラップで警官に背負われた格好の福仔が、前脚をぶらぶらさせながらついてくる。その姿は毛の生えたリュックサックさながらだ。
濰坊警察の警察犬基地の責任者は、福仔の環境適応力の高さ、周囲に動じない性格、物を取ることへの意欲などに言及。訓練を積む上で非常に望ましい資質だと述べた。国営英字紙チャイナ・デイリーが引用した。
報道によると、その短い脚によって狭い場所を捜索する際には他の犬種より優位に立てるとも警察は指摘している。