ダックスフントに危機?、「骨格異常」の犬の育種を禁じる法案 ドイツ

ダックスフントのような「骨格異常」を持つ犬の育種を禁止する法案がドイツで検討されている/Courtesy Kerstin Schwartz

2024.03.29 Fri posted at 17:46 JST

(CNN) ドイツの愛犬団体は27日、「骨格異常」を持つ犬の育種を禁じる目的の新法に言及し、ドイツで人気のダックスフントが危機にさらされる可能性があると訴えた。

法案は2月に公開され、現在は当局が検討中。ドイツ政府によると、「拷問育種」に関する既存の法律の強化を目指す動物保護法の一部として提出された。

法案は短足胴長の犬に頻繁に見られる脊椎(せきつい)異常など、特定の問題に見舞われやすい犬種の繁殖を禁止する内容。

ドイツケネルクラブ(VDH)によると、ジャーマンシェパードやシュナウザー、ビーグルのような他のドイツの人気犬種も影響を受ける可能性があるという。

歴史を振り返ると、ドイツで「ダッケル」と呼ばれるダックスフントには多くの愛好者が存在してきた。

1972年のミュンヘンオリンピックで作成された公式オリンピックマスコットのワルディとモデルになった犬種のダックスフント(中央)

フランスの皇帝ナポレオンは複数のダックスフントを所有していた。ドイツ最後の皇帝ビルヘルム2世は、自分が飼っていたダックスフントのために墓石を建立したことで知られる。

画家のピカソも有名なデッサン「犬」の着想源になったダックスフント「ランプ」と写真に収まっている。

ベルリンの愛犬家団体の会長を務める女性は27日、CNNの取材に対し、「ソーセージドッグ(ダックスフント)はドイツの文化遺産の一部」「単に短足の小型犬だからといって近親交配になるわけではない」と説明。そのうえで「新たな法案は行き過ぎている。育種全体に反対する狙いがある」と述べた。


独ベルリン近郊在住のブリーダーは、ドイツの新法案は「とんでもない」と話す/Courtesy Kerstin Schwartz

VDHは今回の法改定について、何が遺伝子異常に当たるのかを判断する上で解釈の余地がありすぎると主張し、「私たちのお気に入りの犬」を救う取り組みに着手。27日の時点で1万5000件あまりの署名が集まっている。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。