キリスト教の儀式で聖体の代わりにポテトチップス?、広告に批判殺到 イタリア

渦中の広告の一場面。聖体拝領の儀式中に女子修道院長がポテトチップスを食べている/Amica Chips/Instagram

2024.04.11 Thu posted at 11:10 JST

ローマ(CNN) カトリックの修道女を取り上げたポテトチップスのテレビコマーシャルが激しい批判を浴びている。聖体拝領の儀式で使用する薄く焼いたパンをポテトチップスに置き換えるその内容に対し、「冒涜(ぼうとく)的」であり、放映を中止するべきとの声がイタリアのカトリック団体から上がった。

イタリアのアミカ・チップスを宣伝するこのコマーシャルでは、聖体拝領の儀式で司祭から与えられた聖餅(へい)を口にした若い修道女が驚いて目を見張る様子が描かれる。聖餅を食べたときの音が、思いの外大きいことを不審がっているように見える。

修道女や司祭が礼拝堂の奥に目をやると、そこには椅子に座って袋入りのポテトチップスをパリパリ食べる女子修道院長の姿が。先ほどの大きな音はこの院長が食べるポテトチップスの音だったことが明らかになる。

カトリックの教えでは、聖餅はキリストの肉体並びに血であると考えられている。

イタリア国内のラジオとテレビを監視するカトリック団体、AIARTを率いるジョバンニ・バッジョ氏は声明で、30秒間のこのコマーシャルを「冒涜的」だと非難。聖別された物体をポテトチップスになぞらえることで多くのカトリック教徒の感情を傷つけていると主張した。

カトリック教会の新聞「アベニーレ」も社説でコマーシャルを批判。「キリストが1枚のポテトチップにされてしまった。品位を下げ、中傷する行為だ。2000年前と同じだ」と糾弾した。

司祭が修道女に聖体を与えようとする場面

反発を受け、イタリアの広告自主規制団体IAPは、このコマーシャルの放映中止を命じると発表した。アミカは7日以内にこの決定に対して不服を申し立てることができる。この間、コマーシャルは引き続き放映される。オンライン上での映像には命令は適用されない。

ソーシャルメディアでも、コマーシャルに対する厳しい反応が相次いでいる。あるインスタグラムのユーザーは、「これは冒涜だ! 我らの主イエスの聖体を敬え!」と投稿した。

また別のユーザーは「神で遊ぶな。イタリアの友人たちに向けて、この会社に対する完全な不買運動を提言する」と書き込んだ。

この他、「世界の全カトリック教徒を傷つけた」、「極めて深刻な敬意のなさ」といった言葉でアミカを非難する声も上がった。

同社にコメントを求めたが返答はなかった。

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