豪グレートバリアリーフで「広範な」サンゴ白化 7回目の大量白化懸念

世界遺産であるグレートバリアリーフでのサンゴの白化現象。写真は2016年10月に撮影したもの/Kyodo News Stills/Getty Images

2024.02.29 Thu posted at 22:35 JST

(CNN) オーストラリア沖に広がるサンゴ礁「グレートバリアリーフ」の南部で、熱ストレスによる広範な白化が起きていることが分かった。サンゴ礁の管理者が28日、明らかにした。生態学的に重要で広大なグレートバリアリーフで7回目の大量白化が進行している可能性がある。

グレートバリアリーフ海洋公園局とオーストラリア海洋科学研究所が先週末に実施した航空調査で、「調査対象となったサンゴ礁全般で広範かつ一様な」白化が起きていることが判明した。

調査チームは先週末、ケッペル諸島やグラッドストーン地域にある沿岸サンゴ礁27カ所、クイーンズランド州南部沖のカプリコーン・バンカー諸島にある沖合サンゴ礁21カ所を上空から調査した。

海洋公園局でサンゴ礁の健康対策を統括するマーク・リード博士によると、調査対象になったサンゴ礁の大半は「一定水準の白化を示していた。浅瀬のサンゴ礁では白や蛍光色のコロニー(群体)が観測されている」という。

34万5000平方キロ近い範囲に広がるグレートバリアリーフは世界最大のサンゴ礁で、1500種以上の魚類や411種の硬質サンゴが生息する。オーストラリア経済に年間数十億ドル貢献しており、国内でも世界でも有数の自然の驚異として外国人観光客に宣伝されている。

しかし、温暖化効果のある化石燃料の燃焼が世界で続く中、海水温の上昇がサンゴ礁の破壊的な白化に拍車を掛けている。現在は海面温度が平年より高くなるエルニーニョ現象が観測史上最強規模で起きており、それも海水温の上昇につながっている。

白化はストレスを受けたサンゴが組織内から藻類を排出し、食料源を失うことで起きる。海水温が通常より高い状態が長引くと、サンゴは餓死し、炭酸塩の骨格が露出して白くなる。

グレートバリアリーフの管理者は今後、航空調査や水中調査の範囲をサンゴ礁全域に拡大する方針。最も影響が大きいのはグレートバリアリーフの南部だが、当局には海洋公園の全域から白化の報告が寄せられている。

クイーンズランド州沖のレディーエリオット島で見つかった死んだサンゴ=2019年10月10日

オーストラリア海洋科学研究所の上空研究員、ニール・カンティン氏は「航空調査は白化の空間的な広がりを評価する最適な手段だが、白化の深刻さや、どの程度の水深まで白化が及んでいるのか理解するには潜水調査が必要になる」との見方を示した。

グレートバリアリーフでは2016年と17年、20年に海水温の上昇による大量白化が起きた。それ以前には1998年と2002年に白化が起きていた。

22年には、エルニーニョ現象とは逆に冷却効果のあるラニーニャ現象の期間中に初めて白化が発生。サンゴの今後に深刻な懸念が生じる事態になった。

そして今、24年に7回目の大量白化現象が起きることを懸念する声が出ている。

グリーンピース・オーストラリア・パシフィックのデービッド・リッター最高経営責任者(CEO)はCNNの取材に、「海洋公園局の正式な確認を待つ必要があるが、グレートバリアリーフで7回目の大量白化が進行しているのは確かなように思われる」との見方を示した。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。