「ロシア軍が極超音速ミサイルを初めて使用」 ウクライナが主張

極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」がバレンツ海にいるロシアのフリゲート艦から発射されたとされる写真。ロシア国防相が2022年に提供/Russian Defense Ministry Press Service/AP

2024.02.13 Tue posted at 17:47 JST

(CNN) ウクライナによると、ロシア軍は最近、ウクライナ侵攻を開始してからの約2年間で初めて、高度な極超音速ミサイルを使用した。

ウクライナ司法省傘下のキーウ犯罪科学研究所はSNS「テレグラム」への投稿で、今月7日のキーウ攻撃で回収された部品や破片は、ロシア軍が極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」を使ったことを示唆していると報告した。

投稿には、ミサイルのものと思われる破片数十個の映像が添えられていた。

ウクライナ当局によると、キーウへの攻撃では4人が死亡、38人が負傷した。ただし、ツィルコンとされるミサイルによる直接の犠牲者は出なかった。

発射装置への言及はないが、ロシア国営メディアはこれまでに、軍艦に配備されたと伝えている。

キーウでロシアのミサイル攻撃後に発生した火災の消火作業=2月7日

専門家らはツィルコンについて、ロシアの発表通りだとすれば強力な武器だと指摘。マッハ8(音速の8倍)、時速約9900キロで飛行し、地対空ミサイル「パトリオット」などによる欧米最高水準の防衛システムでも迎撃はほぼ不可能とみている。

射程は500~1000キロ。飛行中、気体が電離した「プラズマ」に完全に覆われる。電波を吸収するため、レーダーで検知できない。

ただし高価な技術であることから、大規模な生産、配備は難しいとみられる。

7日の攻撃で撃ち込まれたミサイルのうち、旧式の巡航ミサイル32発のうち29発はウクライナの防空システムで撃墜されたが、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」3発、超音速巡航ミサイル「Kh―22」4発は着弾した。ウクライナ軍はこの2年間で、Kh―22を1発も迎撃できていないとされる。

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