離陸機のドア開け脱出スライドを作動させる、カナダ人の男逮捕 タイ

緊急脱出用のスライドが開き、空港のスタッフが対応する=7日、チェンマイ国際空港/Chiang Mai International Airport

2024.02.10 Sat posted at 13:34 JST

バンコク(CNN) タイ北部チェンマイでこのほど、離陸前の民間機のドアを開け、緊急脱出用のスライドを作動させた疑いでカナダ人の男が逮捕された。

チェンマイ国際空港の声明によると、事件が起きたのは今月7日の夜。

航空管制塔に午後10時5分に通知があり、首都バンコクの空港へ出発予定だったタイ国際航空121便が滑走路で離陸の順番を待っていたところ、乗客の一人がドアを開けて脱出スライドを展開させたとの情報が入った。

同機は一時移動できなくなり、他の便の離着陸に一時的に支障が出たという。使用機材はエアバスA320。

チェンマイ国際空港の責任者の声明によると、通知を受けた空港はタイ国際航空に対し、脱出スライドを切り離す整備士を現場に派遣するよう要請。その後、機体をけん引して移動させた。

この事件で計13便が影響を受け、うち8機は着陸許可が下りるまで空中で旋回した。合計で2295人の乗客に影響が出たという。

乗客2295人に影響を与えた

タイ国際航空は事件を受けて声明を出し、整備士が安全規則に従ってドアの修理と点検を行ったと説明。当該機は定刻より遅れた深夜0時過ぎにバンコクへ飛び立ったと明らかにした。乗客やパイロット、客室乗務員にけがはなかった。

チェンマイ警察の担当者はCNNに対し、カナダ国籍のウォン・サイ・フン容疑者を現場で逮捕したと説明した。

有罪となった場合、容疑者は死刑や20年以下の禁錮刑、罰金60万~80万バーツ(約250万~330万円)を言い渡される可能性がある。ただ、タイは2018年以降、死刑を執行していない。

警察はドアを開けた動機は不明だとしつつも、ストレスを感じている様子で意思疎通が難しいことから、検査のため精神病院に身柄を送ったとしている。

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