フラミンゴの卵を守れ 機内で孵卵器が故障、乗員の機転で命つなぐ

客室乗務員に救われた卵の一つから生まれたフラミンゴのサニー/Jeremy Dwyer-Lindgren/Woodland Park Zoo

2024.02.09 Fri posted at 17:15 JST

(CNN) 米アラスカ航空の旅客機でジョージア州アトランタからワシントン州シアトルの動物園へ運ばれる途中だったフラミンゴの卵6個が、客室乗務員の機転と乗客の助けで救われる出来事があった。

アトランタの動物園で選ばれた卵6個は昨年8月、繁殖期のフラミンゴがいなくなったシアトルのウッドランドパーク動物園に提供された。同動物園の飼育員がポータブル孵卵器(ふらんき)で温めながら、旅客機でアトランタからシアトルまで約6時間かけて卵を運ぶ予定だった。

ところが飛行中に孵卵器が故障した。

飼育員はすぐに助けを求め、客室乗務員のアンバー・メイさんに事情を説明した。

メイさんはギャレー(調理室)でゴム手袋を見つけると、お湯を入れて飼育員のところへ戻った。

2人はお湯を入れた手袋で卵を包み、温かい巣をつくった。近くにいた乗客たちも、温かさを保つためにコートやスカーフを提供してくれた。

メイさんは目的地に到着するまで卵の様子をチェックし続け、お湯が冷めると新しい手袋に交換した。

米ウッドランドパーク動物園でフラミンゴと再会した孫娘とメイさん

「ポータブル孵卵器が故障して5時間、フラミンゴの卵は生き延びられない状況だった」とウッドランドパーク動物園は説明する。「機転をきかせてくれたおかげで大切な卵を無事に運ぶことができ、心から感謝している」

メイさんの行動と乗客の手助けのおかげで卵は6個とも助かり、翌月、無事に孵化(ふか)してチリ―フラミンゴの元気なヒナが誕生した。同動物園でフラミンゴが孵化したのは2016年以来だった。

ヒナは専門の飼育員が餌を与えながら育て、毎日散歩に連れ出して運動させているという。

とっさのひらめきで卵を救ったメイさんは、動物園から招かれて昨年11月、誕生したフラミンゴと再会を果たした。動物園の申し出で、オスの1羽はメイさんが自分の孫娘にちなみ「サニー」と命名した。

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