元CIA職員に禁錮40年 大量の機密情報、ウィキリークスに流出

ジョシュア・シュルテ被告/From LinkedIn

2024.02.02 Fri posted at 12:10 JST

(CNN) 米中央情報局(CIA)史上最大規模の情報を流出させたとして罪に問われた元職員が、禁錮40年の実刑判決を言い渡された。米ニューヨーク州南部地区検察が1日に発表した。

米検察によると、CIA元職員のジョシュア・シュルテ被告は大量の機密情報を内部告発サイト「ウィキリークス」に提供していたとされ、国防情報を不正に収集・移転した罪、捜査や陪審手続きを妨害した罪などで2022年に有罪を言い渡された。23年には児童ポルノ受領・所持・移送の罪でも有罪となった。

シュルテ被告はCIAのサイバーインテリジェンスセンターでコンピューターエンジニアとして勤務しており、コンピューターから密かにデータを収集できるサイバーツールを開発していた。

ダミアン・ウィリアムズ検事は声明の中で「ジョシュア・シュルテは自分の国を裏切り、米国史上有数の大胆かつ卑劣な犯行を犯した」「職員として勤務していた当時のCIAの対応に復讐(ふくしゅう)する目的で、我が国の国家安全保障に計り知れない損害を与えた」と強調した。

15年夏、管理職や同僚との間でいさかいがあり、シュルテ被告がその同僚に対する接近禁止命令を州裁判所に申し立てた。結果的にこのいさかいが原因で、シュルテ被告と同僚は2人とも異動になった。

シュルテ被告は、CIAが業者と契約して、自分が開発していたのと同じようなサイバーツールを開発させようとしたことに腹を立てたとされる。

出廷したジョシュア・シュルテ被告(中央)=2020年3月4日、米ニューヨーク

翌年、シュルテ被告はサイバーツールとソースコードを盗んでウィキリークスに提供し、自分がコンピューターシステムにアクセスした形跡を全て消去して痕跡を隠そうとした。

16年11月にシュルテ被告はCIAをやめ、ウィキリークスは17年3月、情報の第1段を公開した。

ウィキリークスはこの情報について、CIAのハッキング能力が一線を越え、権限を逸脱していないかどうかに関する政策的疑問を投げかける意図で、匿名の人物から提供されたと説明していた。

シュルテ被告は児童ポルノ関連の容疑で17年8月に逮捕され、数カ月後にはデータ流出に関与した罪で訴追された。CIAと米連邦捜査局(FBI)の捜査員に対してうそをついた罪にも問われている。

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