消息絶ったA・イアハートの搭乗機、ソナー画像で発見か 太平洋探索した専門家が発表

海底で撮影された航空機に似た物体を写したソナー画像/Deep Sea Vision/PR Newswire

2024.01.31 Wed posted at 12:05 JST

(CNN) 1937年の世界一周飛行中に消息を絶った米女性飛行士アメリア・イアハートを巡っては、これまで無数の調査、探索が行われている。ここへ来て米サウスカロライナ州チャールストンを拠点とする海洋探索企業ディープシービジョンが、イアハートの失踪劇に終止符を打つ手掛かりを見つけた可能性があると発表した。

ディープシービジョンに所属する水中考古学者や海洋ロボット工学の専門家からなるチームは、今回ソナー画像を駆使し、太平洋の海中深さ4877メートルに異常を検知した。小型飛行機に似た形状を示すこの画像の異常について、チームはイアハートが操縦していた10人乗りのロッキード製10Eエレクトラである可能性があると考えている。

ディープシービジョンはこの発見を、27日のインスタグラムへの投稿で明らかにした。

同社の最高経営責任者(CEO)を務めるパイロットで、米空軍の情報将校だった経歴も持つトニー・ロメオ氏は、「米国史上最大の物語に幕を下ろす機会を我々が手にしている」と強調した。

ロメオ氏によれば、画像はハウランド島から約161キロ離れた水中で撮影。同島はイアハートと航法士のフレッド・ヌーナンがパプアニューギニアのラエを飛び立って次に着陸する予定の島だった。

ディープシービジョンは最新型の自律型水中ビークルを使用して、海底1万3468平方キロ以上を調査。ロメオ氏がCNNに明らかにしたところによると、調査は昨年9月初旬に始まり、12月に終了したという。

1937年に消息を絶った米女性飛行士アメリア・イアハート

同氏は1年以内に現地に戻り、今回検知した異常が航空機だとする一段の確証を得たいとしている。その場合は遠隔操作型の無人潜水機ROVを使用する公算が大きい。潜水機に搭載したカメラで、対象をより近距離から調査することが可能になるという。発見した対象を水上に引き揚げることも視野に入れているとしている。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校の水中考古学者、アンドルー・ピエトルスツカ氏は、今回検知したものがイアハートの機体である可能性はあるとしつつ、そうだと断定するのは時期尚早だと指摘。ソナーのデータや何らかの地質学上の現象、他の航空機に由来するノイズかもしれないとの見解を示した。同氏が主要考古学者を務めるプロジェクト・リカバーは、第2次世界大戦で消息を絶った行方不明兵や航空機の発見に取り組んでいる。

「とはいえ、もし自分がアメリアの機体を探していて、データセットの中にこの標的を見つけたなら、もっと精査してみたいと考えるだろう」(ピエトルスツカ氏)

米政府などにより最も広範に信じられている説は、イアハートとヌーナンが機体の燃料切れのため太平洋のハウランド島近くに墜落したというものだ。新たなソナー画像は、異常を検知した場所が同島に近いため特に関心を集めている。

しかし、ディープシービジョンが発表したソナー画像からは、ツインエンジンなどイアハート搭乗機の特徴が確認できないとの指摘も出ている。

行方不明の航空機の捜索作業を手掛ける深海探索企業ノーティコスの創業者兼社長、デービッド・ジャーダン氏は「ソナー画像だけで何かを特定するのは不可能だ。音波は見極めが困難な場合もあり、機体が予期せぬ形で損傷し、形状が変化している可能性もある。このような理由から、ソナー画像だけでは何一つ断定的なことは言えない」と強調した。

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