キャサリン皇太子妃とチャールズ国王が入院、カミラ王妃が英王室の前面に

クリスマスの礼拝に出席する英チャールズ国王=2023年12月25日、英イングランド東部/Adrian Dennis/AFP/Getty Images

2024.01.19 Fri posted at 13:10 JST

ロンドン(CNN) 英王室は17日、ウィリアム皇太子の妻、キャサリン妃が腹部の手術を受けて入院していると発表し、続いてチャールズ国王(75)が来週前立腺肥大の治療を受けるために入院すると発表した。ウィリアム皇太子は妻を支えるために公務を見合わせる。

英国の新聞は18日、このニュースを大々的に報じ、大衆紙には「お二人の無事を祈る」(デイリー・メール)、「ケイト(キャサリン妃)の手術に揺れる王室」(サン)などの見出しが躍った。

チャールズ国王がスコットランドで行う予定だった公務は延期されたが、関係者によれば、これは医師のアドバイスだったらしい。

英王室は一般的に、王室ファミリーの健康状態に関する詳細を公表したがらない。これは情報を隠す意図があるわけではなく、王室メンバーにも一般国民と同じように患者としてのプライバシーを守る権利があると側近が考えているためだ。しかし入院や通院については王室が国民に知らせる義務がある。

チャールズ国王の入院予定を発表した3行の声明の中で王室は、前立腺肥大を「年間何千人もの男性と共通する」症状と形容した。王室関係者によれば、国王は自身の診断内容を公表することで、ほかの男性にも検査を受けるよう奨励したい意向だったという。

国王の手術に伴って必然的に、国王が不在の間はどうなるのかという疑問が生じる。王室関係者によると、手術の間、公務を代行する王族の「国務参事官」が必要になる状況は想定していないという。

現在、国王の不在時は、ウィリアム皇太子、ヘンリー王子、アンドルー王子、エドワード王子、アン王女が公務を代行できる。

チャールズ国王の入院予定発表は、わずか1時間半前にキャサリン妃の入院が発表されたばかりだったため、国民に衝撃を与えた。

国王の公務延期は回復を待つ間の短期間で済む見通しだが、キャサリン妃はそれよりもずっと長期間、公務から遠ざかる。英王室は「医師の勧めに従い、公務への復帰はイースター(3月末)後になる見通し」と発表している。

晩餐(ばんさん)会に出席した英キャサリン妃=2022年11月

王室の歴史に詳しいCNN解説者のケイト・ウィリアムズ氏によると、キャサリン妃はサンドリンガムの邸宅で家族と共にクリスマスを過ごし、元気そうな様子でさまざまな公務をこなしていたという。

しかしそれ以降、公の場に姿を見せなくなった。ジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子の3人の子どもは先週から新学期が始まった。もしも王室が入院を発表していなければ、国民はキャサリン妃の不在に気付いていたはずだ。

熱心な保護者として子どもたちの学校に積極的にかかわってきたこれまでとは打って代わって、キャサリン妃は数カ月間、ウィンザー城の自宅で静養する。

別の王室関係者によると、夫のウィリアム皇太子は妻に付き添いながら育児をこなす予定だという。つまり、キャサリン妃の入院中や退院直後は公務ができないことになる。

王室関係者は、キャサリン妃の症状はがんとは無関係だと明言している。

それでも立憲君主国の英国は、国民の前に姿を見せる王族を必要とする。それを担うのがチャールズ国王の妻カミラ王妃だ。アン王女やエドワード王子夫妻は当然ながらそれぞれの公務を継続するが、国王夫妻や皇太子夫妻ほどの重みはない。

王室は、何も問題がないことを国民に納得させようと努める。従って来週はカミラ王妃の姿を見る機会が増えるだろう。

今後数週間、チャールズ国王は舞台裏で公務をこなし、ウィリアム皇太子夫妻は情報の提供を受けて必要に応じて助言を行うだろう。しかしその空白を埋める役割はカミラ王妃が担う。

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