(CNN) 東欧セルビアの首都ベオグラードで24日、数千人が集結する反政府デモが起きた。先に行われた総選挙の無効を求めている。国際的な監視団体はこの選挙を「不公正」なものとみなしていた。
デモ参加者らはベオグラードの市議会に入ろうと、旗棒や岩で建物の窓を破壊した。しかし暴徒鎮圧用シールドと催涙ガスを使用した警官隊がこれを撃退した。地元のCNN提携局N1が報じた。
N1によると、24日に発生したデモでは少なくとも35人が逮捕された。議会選と地方選の後、抗議デモは6日間連続で発生していた。
与党・セルビア進歩党は47%の得票率を記録し、解散総選挙に踏み切ったブチッチ大統領は10年に及ぶ自身の権力支配を強化した。セルビアは欧州連合(EU)加盟を目指す一方、ロシアとの緊密な結びつきを維持している。
国際的な監視団体によれば、今回の選挙は「不公正な状況」で行われた。具体的にはメディアの偏向、ブチッチ氏の不適切な影響力、そして「票の買収を含む有権者への威嚇と圧力」があったという。
中道左派の野党連合のメンバーも24日のデモに複数参加し、ブチッチ氏が選挙を盗んだと非難。結果を無効とするよう訴えた。
デモに呼応する形で行った24日夜の演説で、ブチッチ氏はセルビア国民に心配しないよう呼びかけた。「革命が起きることはない」というのがその理由だった。
またデモ参加者の誰も傷つけることのないよう、穏やかに対応していることを示唆した。セルビア国内のメディアが伝えた。
クレムリン(ロシア大統領府)のペスコフ報道官は25日、記者団の取材に答え、ベオグラードでの抗議デモは外国勢力により引き起こされているとの見方を示した。セルビアの不安定化が目的だとしたが、外国勢力を特定はせず、関与の証拠も示さなかった。
プーチン大統領は25日、ブチッチ氏に祝福のメッセージを送った。内容はセルビア国民の「平和と繁栄」を願うものとなっている。
セルビアでデモ、選挙結果に抗議