ホリデーシーズン彩る「クリスマスツリー星団」、NASAの宇宙望遠鏡で撮影

地球から2500光年の距離にある若い星々からなる「クリスマスツリー星団」/NASA/CXC/SAO

2023.12.21 Thu posted at 20:30 JST

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)の2つの宇宙望遠鏡が捉えた新たな画像が、クリスマスシーズンの盛り上げに一役買っている。1枚は緑色の光の中に浮かぶ星々の集まりがクリスマスツリーのように、もう1枚は矮小(わいしょう)銀河を形成する星々がスノードームの中で舞う粉雪のように写っている。

このうちチャンドラX線観測衛星が撮影した天体は、地球から約2500光年離れた「NGC2264」。「クリスマスツリー星団」とも呼ばれる若い星々の集まりで、緑色に輝くガス状の星雲が周囲を取り巻くその姿は、電飾付きのクリスマスツリーさながらだ。

星団内の星は誕生から100万~500万年経過しており、太陽より小さいものもあれば大きいものもある。

今回の新たな合成画像は、ツリーの頂点が上方へ来るよう時計回りに160度回転させている。動画化したバージョンに見える青と白の明かりは、チャンドラが検知した若い星々が発するX線の光。ツリーを思わせるガス状の緑色の光は、アリゾナ州の砂漠に設置した別の望遠鏡が検知したものだ。

10億個の恒星からなる矮小銀河の「UGC8091」。

もう1枚の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した「UGC8091」と呼ばれる矮小銀河。無数の恒星を含むこの銀河はおとめ座に属し、地球から700万光年の距離にある。

不規則な恒星の配列は、無造作に絡まったクリスマスツリーの電飾のようにも見える。まるでクリスマスが終わった後、急いで片づけたかのようだ。こうした特徴は、UGC8091が不規則銀河であることに由来する。不規則銀河は渦巻き銀河や楕円(だえん)銀河のような構造的な外見を持たない。

今回の画像はハッブル宇宙望遠鏡が捉えた異なる波長の光のデータを合成したもの。これらのデータは2006年から21年にかけて収集された。

このうち青い光は、新たに生まれた恒星から発せられている。一方、宇宙に染み出たようなピンクがかった赤い光は、若く活発な恒星からの光に影響されて高温化した水素分子の可能性がある。

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