トランプ氏の出馬資格認めないコロラド州の判決、共和党ライバルの反応は?

元米サウスカロライナ州知事のニッキー・ヘイリー氏=19日、米アイオワ州エージェンシー/Christian Monterrosa/AFP/Getty Images

2023.12.21 Thu posted at 11:27 JST

(CNN) 米コロラド州最高裁が2024年大統領選に向けた州予備選の投票用紙からトランプ前大統領の名前を除外する判断を下したのに対し、共和党の候補指名を争うライバルはおおむねトランプ氏支持に回った。

ただ、フロリダ州のロン・デサンティス知事は20日午前、コロラド州の判決を批判しつつも、判決を機にトランプ氏が大統領選で勝利できるのか疑問視する姿勢を表明。トランプ氏を候補に指名すれば、24年大統領選は「この法律問題一色」になると主張した。

トランプ氏のライバルたちの反応は、共和党指名レースの最初の投票をわずか数週間後に控え、綱渡りの対応を迫られていることを示す。法的問題が絶えないトランプ氏だが、党の支持基盤からの人気は根強い。ライバルたちはトランプ氏を擁護しつつ、党は前に進む時だと訴える必要がある。

アイオワ州で遊説中のデサンティス氏はコロラド州の判決について、予備選でトランプ氏への支持を固めるための民主党の陰謀だと主張。民主党はトランプ氏を最も負かしやすい共和党候補とみていると指摘した。

さらに、他州の最高裁も同様にトランプ氏を投票用紙から排除しようと試みる可能性があるとの見方を示し、トランプ氏以外の候補を指名すれば「我々は勝利の最大のチャンスを手にする」と強調した。

コロラド州最高裁は19日、トランプ氏は憲法上、来年の州予備選に出馬する資格がないと判示。理由として、反乱者の公職就任を禁じた合衆国憲法修正第14条の規定が21年1月6日の連邦議会襲撃事件に適用されるとの見解を示した。

講演後に来賓と言葉を交わす米フロリダ州のデサンティス知事と家族ら=18日、米アイオワ州

この問題に関して最終的な決定権を持つのは連邦最高裁だが、コロラド州の判決は、20年大統領選を覆す試みを巡りトランプ氏が新たな水準の説明責任を求められていることを示す。

バイデン大統領は20日、トランプ氏の再選出馬資格を巡る判断は裁判所に委ねるとしつつも「彼は間違いなく反乱を支持した。それについて疑問の余地はない。ゼロだ」と述べた。

トランプ政権で国連大使を務めたニッキー・ヘイリー前サウスカロライナ州知事は、コロラド州の判決のような介入なしに「正々堂々と」かつての上司に勝ちたいと表明した。


演説を行うニッキー・ヘイリー氏=19日、米アイオワ州エージェンシーの市庁舎/Christian Monterrosa/AFP/Getty Images

今回の共和党指名レースでトランプ氏批判の急先鋒(せんぽう)になっているクリス・クリスティー前ニュージャージー州知事は20日、「国民は自分たちの権利が奪われる前に裁判を受ける権利がある」と指摘。かねてトランプ氏を批判してきたクリスティー氏の立場を考えれば「直感的に理解しづらい」コメントかもしれないと認めつつも、トランプ氏を投票用紙から除外するのは「この国にとって悪い」選択だとの認識を示した。

他の候補に比べトランプ氏寄りの立場を取る実業家のビベック・ラマスワミ氏はコロラド州の判決について、「民主主義への攻撃」「選挙介入」に当たると批判。トランプ氏の名前が投票用紙に記載されないなら、コロラド州予備選から撤退すると言明した。

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