ロンドン(CNN) 英国最大の諜報(ちょうほう)機関、政府通信本部(GCHQ)が、今年も恒例のクリスマスカードを公開した。若者たちの心をくすぐるパズル一式を盛り込んだ内容となっている。
GCHQは14日の声明で、今年の問題は「最大級の難しさ」と説明。11~18歳の子ども向けに7つの「複雑なパズル」を盛り込んだとした。本部内のパズル担当者が制作し、パズルを解けばクリスマスに因んだメッセージが分かる仕組みになっているという。
GCHQのキーストバトラー長官は声明で、パズル制作の技術について「暗号や暗号化における我々の歴史的ルーツを表す。依然として我々の現在の任務にとって重要であり、これによって国の安全は守られている」と述べた。
その上で、クリスマスカードのパズルを「クラスメートや家族、友人と一緒に解いてみる」よう言い添えた。
当該のパズルは、オンライン上からダウンロードできる。
カードには第2次世界大戦中のGCHQの拠点だった「ブレッチリー・パーク」に雪が降り積もる写真がプリントされている。当時はこの施設で、英国の暗号学者がナチスドイツによって送られる暗号の解読に取り組んでいた。メンバーの中には「エニグマ」と呼ばれるドイツの暗号機で作成された複雑な暗号を解読したアラン・チューリングもいた。
キーストバトラー長官はカードにデザインされたブレッチリー・パークについて、戦時に施設が果たした役割だけでなく、今年開催された「AI安全サミット」の舞台だったことも想起させる意図があると明かした。
7つのパズルの解答は現地時間の15日午前7時、GCHQのウェブサイトで公開される。
GCHQの現在の拠点は、イングランドのチェルトナムにある。