6年間行方不明だった英国の少年、フランスで見つかる

アレックス・バティ君(失踪前に撮影)/Greater Manchester Police

2023.12.15 Fri posted at 10:45 JST

(CNN) 6年間所在が分かっていなかった英国の少年が、13日午前にフランスの南西部で見つかった。地元当局の報道官が14日、CNNに明らかにした。

アレックス・バティ君は11歳の時に失踪していた。2017年、休暇でスペインを訪れた後だった。休暇には母親と祖父も同行していた。母親は法律上、保護者としての責任を負っていなかった。

上記の報道官によれば、アレックス君はトゥールーズ近郊のオートガロンヌで見つかった。

CNN提携局のBFMTVは、見つかったのはアレックス君本人であることを家族が確認したと報じた。トゥールーズの検察当局によると、アレックス君は間もなく英国に戻る予定だという。

アレックス君の法律上の保護者である祖母のスーザン・カルアナさんは、英紙ザ・サンの取材に答え、既にアレックス君と言葉を交わしたと説明。本人は元気で、現在フランス当局の下にいると語った。

英グレーター・マンチェスターの警察は14日、声明でアレックス君発見の可能性について連絡を受けたと明らかにした。警察の報道官は、複雑で長期に及ぶ捜査だとし、さらなる問い合わせを行い、適切な安全防護措置を講じる必要があると述べた。

英警察は、アレックス君が過去6年間をどこで過ごしていたのかについて、詳細は不明だとしている。しかし、運転中にアレックス君を道路脇で救出したフランス人のファビアン・アッシディーニさんによれば、アレックス君はこの2年間はフランスにいた。「霊的な団体」の中で暮らしていたという。

アッシディーニさんは、アレックス君から「母親に誘拐された」と告げられたと話した。17年に誘拐された後、スペインに3年、フランスに2年いたという。

アッシディーニさんによると、アレックス君は自分の母親について「少し頭がおかしい」と話していた。

カイロプラクティックを学ぶ学生のアッシディーニさんは、夜中に医薬品を薬局へ配送している途中でアレックス君を発見した。アレックス君は雨の中リュックを背負い、懐中電灯とスケートボードを持って道路脇を歩いていたという。

仏放送局の取材に答えたアッシディーニさんによると、アレックス君は山を出てから4日間歩き続けていたと話した。

トゥールーズ検察局のアントワーヌ・ルロワ次席検事は15日、テレビ放送された会見で、アレックス君が16日にも英国に戻る予定だと述べた。

アレックス君はルロワ氏に対し、「それまで暮らしていた団体から逃げることを決めた」と話したという。母親が自分をフィンランドへ連れていくのではないかと不安になったのが理由だとした。

ルロワ氏によると、「霊的な団体」はアレックス君自身が口にした言葉だ。団体は複数の家族で構成されており、車に相乗りしながら移動していた。滞在するのはいつも、大きな家屋が複数ある場所だったという。

ルロワ氏はまた、アレックス君からはいかなる種類の身体的暴力の報告も受けていないとした。母親を含む誰からも暴力を振るわれたことはなかったという。本人の現在の健康状態は良好だとした。

一方で、アレックス君の祖父は半年ほど前に亡くなったと、ルロワ氏は明らかにした。現時点で死亡時の状況は不明だという。

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