オバマ政権時代の高官を逮捕、屋台でイスラム嫌悪の暴言 動画が拡散

屋台で従業員にイスラム教嫌悪の暴言を吐く動画が拡散したS・セルドウィッツ容疑者/Mohamed/Street Vendor

2023.11.24 Fri posted at 17:45 JST

(CNN) オバマ米政権時代に国家安全保障会議(NSC)高官を務めていた人物がニューヨーク市内の屋台で従業員にイスラム教嫌悪の暴言を吐く動画がSNSで拡散し、元高官は22日に逮捕された。警察が逮捕を発表した。

法廷文書によると、スチュアート・セルドウィッツ容疑者(64)は23日、ヘイトクライム(憎悪犯罪)やストーカー行為、嫌がらせの罪状につき無罪を主張した。

法廷文書によると、セルドウィッツ容疑者は保釈金なしで釈放された。CNNは同容疑者の弁護士にコメントを求めている。

逮捕が発表される前、セルドウィッツ容疑者はCNNに寄せた電子メールで、動画に映っているのは自分だと確認していた。複数の動画はマンハッタンのアッパーイーストサイドにある屋台で撮影されたもので、撮影日はそれぞれ異なるとみられる。

今月インターネット上に投稿された動画には、セルドウィッツ容疑者がイスラム教を侮辱したり、従業員の男性の市民権の有無について難癖を付けたりする様子が映っている。イスラム組織ハマスを支持しているとして男性を非難し、イスラエルとハマスの間で続く戦争について言及する場面も見られる。

セルドウィッツ容疑者はオバマ政権下で国家安全保障会議の高官を務めた経歴を持つ

動画の一つでは、セルドウィッツ容疑者が従業員に向かって「あなたは子どもの殺害を支持している」と述べ、従業員が「子どもたちを殺しているのは私ではなく、あなたの側だ」と言い返す場面が確認できる。

これに対し、セルドウィッツ容疑者は「パレスチナ人の子ども4000人を殺害してもまだ足りない」と答えている。

米イスラム関係委員会によると、米国ではハマスによる先月7日の襲撃以降、反アラブや反イスラムの偏見に基づく事案が「前例のない」水準に増加しつつある。

一方で反ユダヤ主義の事案も米国各地で多発しており、連邦捜査局(FBI)のレイ長官は先月、反ユダヤ主義の脅威は歴史的な水準にあると説明。名誉毀損(きそん)防止同盟によると、10月7日以降に報告された事案は前年同時期に比べ388%増加した。

米ビジネス向け交流サイトのリンクトインによると、セルドウィッツ容疑者は2009年2月から11年1月にかけ、オバマ政権でNSCの南アジア担当幹部を務めた経歴を持つ。

オバマ政権時代の高官、イスラム嫌悪の暴言動画拡散で逮捕

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。