(CNN) ブラジル北部アマゾナス州の州都、マナウス東郊のプラケカラ湖に浮かぶ村として知られる集落が、異常な干ばつで孤立状態に陥っている。
湖の水位が大きく下がり、ボートや水上住宅が泥に埋もれたままになった。
プラケカラ湖はアマゾン川の支流、ネグロ川水系の一部。州当局の観測によると、先月末から記録的な水位低下が起き、周囲に深刻な影響を及ぼしている。
湖底が露出してひび割れた土地に、井戸を掘る住民の姿もある。
ボートは動きが取れず、店を訪れる客もない。住民の男性はロイター通信に「神様から水が送り込まれるまで、ここにいるしかない」と話した。
干ばつは州全体に広がり、全62自治体のうち42自治体、住民30万人あまりが非常事態に直面している。
州当局の報道担当者によると、今後2~3カ月は少雨傾向が続くことが予想される。状況はさらに悪化し、数週間のうちに50自治体の住民約50万人に影響が広がる見通しだ。
アマゾナス州のリマ知事は先月末に非常事態宣言を出し、干ばつで大きな被害を受けた住民らに食料を配布するなどの支援策を発表した。
州内を流れる川の生物も打撃を受けている。マナウス西郊のテフェ湖では今月初め、100頭以上のイルカが岸に打ち上げられて死んだ。水温が異常に上昇したためとも考えられる。テフェ湖の水温は一時、39度を超えた。
干ばつが悪化している背景にはエルニーニョ現象や、地球温暖化の流れがあるとされる。
ブラジルの8~9月は春先にあたるが、今年の気温は40度を超えた。こうした異常高温の頻度は、人間活動に起因する気候変動で少なくとも100倍になったとの研究結果も報告されている。