イランで拘束の米国人5人解放、帰国の途に 米がイランの資金60億ドルの凍結解除

イランで拘束されていた米国人5人が解放されカタール・ドーハ経由で帰国の途に就いた/Karim Jaafar/AFP/Getty Images

2023.09.19 Tue posted at 08:32 JST

ドーハ/ワシントン(CNN) 米当局者や情報筋によると、イランで拘束されていた米国人5人が18日、解放され、カタール首都ドーハを経由するルートで米国への帰国の途に就いた。

解放された全員が不当な拘束と認定されていた人物。米政府によるイランの資金60億ドル(約8860億円)の凍結解除を含む幅広い取引の一部として解放が実施された。

解放された5人のうち3人はエマド・シャルギ氏、モラド・ターバズ氏、シアマク・ナマジ氏。残り2人の氏名は不明。

バイデン政権高官によると、イランから出国できなくなっていたナマジ氏の母親とターバズ氏の母親も同じ便に乗ってイランを出国したという。

この高官によれば、解放された人々を乗せたカタール政府のジェット機は現地時間の18日午後にイラン首都テヘランからドーハに向けて出発。今後は米ワシントンに飛び、家族との再会が実現する。

機体外で抱擁を交わすシアマク・ナマジ氏(左から2人目)とモラド・ターバズ氏(右)

バイデン大統領は18日、「何年もの苦悩、疑念、苦痛に耐えた」5人の解放を祝う声明を発表。「カタール、オマーン、スイス、韓国を含め、我々がこの結果を生み出すためにたゆまぬ努力をしてくれた国内外のパートナー」に感謝すると述べた。

米国とイランは正式な外交関係がない。両国間で数年にわたる複雑な交渉が間接的に進められてきた中、今回の解放は大きな外交上の進展となる。

ただ、バイデン政権の高官は、今回の取引は「イランとの関係に何ら影響を及ぼしていない」との認識を示し、米国は今後も人権侵害や核計画の抑制に向けた取り組みを続けると述べた。

バイデン政権はこれまでロシアやベネズエラで不当に拘束されたと認定された米国人の解放を実現してきた。

野党・共和党の一部議員からは今回の解放を実現した取引について「身代金の支払い」だと批判する声も上がっている。

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