(CNN) 米西部ユタ州選出の共和党ミット・ロムニー上院議員(76)が13日、任期満了に伴う次回2024年の選挙に出馬しないと発表した。
ロムニー氏はビデオメッセージを公表し、民主党のバイデン大統領や共和党のトランプ前大統領について、増え続ける国債や気候変動といった重要課題で党をリードしていないと批判した。
政治家の高齢化に注目が集まる中、ロムニー氏は「次の期の最後に自分は80代半ばになる」と述べ、「率直に言って、新たな世代のリーダーの時代が来ている」との認識を示した。「再選に向けた出馬はしないが、闘いから身を引くわけではない」とも述べ、25年1月の任期満了までは議員を続けると明言した。
ロムニー氏は自党との争いも辞さない姿勢で発言を続ける特異な存在だった。12年の大統領選では共和党候補に指名され、当時のオバマ大統領と対決し敗れた。
トランプ氏に対して歯に衣着せぬ批判をする人物としてもしられる。20年の最初の弾劾(だんがい)裁判では権力乱用でトランプ氏を有罪とする票を入れた。自党の大統領を追放する票を投じた上院議員はロムニー氏が初めてだった。
党内の同僚議員がトランプ氏に忠誠を誓い続ける状況も厳しく批判。まもなく刊行されるロムニー氏の伝記には、「我が党の大部分が本当に憲法の価値を信じていない」との同氏の発言が紹介されている。
03~07年にはマサチューセッツ州の知事を務めたこともある。
共和党上院トップのマコネル院内総務は「彼が去るということを知り残念だ」とのコメントを出した。
ロムニー米上院議員、再選目指さず 「新世代のリーダーの時代」