(CNN) ローマ教皇フランシスコ(86)が3日、モンゴルの首都ウランバートルでミサを行い、中国のカトリック教徒に向けて「良き市民、良きキリスト教徒であれ」と語りかけた。教皇が公の場で中国の宗教の問題に言及するのは異例。
フランシスコ教皇のモンゴル訪問は初めて。モンゴルは、教皇がウクライナ侵攻を批判したロシアと、政府が宗教を厳格に統制する中国の間にはさまれている。
中国国内のカトリック教徒は公式統計で約600万人。しかし中国政府の監視の目を逃れて密かに活動する信者を含めると、もっと多い可能性もある。
フランシスコ教皇は、香港教区の周守仁(スティーブンチョウ)次期枢機卿と前任の湯漢(ジョントン)枢機卿の手を取って「きょうだい司教」と呼び、両司教のモンゴル訪問の機会を利用して「気高い中国の方々に温かいあいさつを送りたい」と述べ、こう続けた。
「全ての人々の幸運と前進、たゆまぬ進歩を祈ります。中国のカトリック教徒の皆さん、良きキリスト教徒、良き市民であってください」
カトリックは中国で公認された五つの宗教のうちの一つだが、国家公認のカトリック教会の司教は2018年に両者の間で合意が成立するまで、教皇庁ではなく中国政府が選任していた。
フランシスコ教皇は1日にモンゴルに到着した。初日は休養し、2日にはモンゴルの政治指導者らと面会。3日は仏教、シャーマン、イスラム教、ユダヤ教、福音派、ロシア正教などさまざまな宗教の代表者とともに宗教間会合に出席した。
人口350万人のモンゴルで、カトリック教徒の数は1500人のみ。それでもここ数十年で大幅に増加した。バチカンニュースによると、1995年のカトリック教徒はわずか14人だった。