ギリシャ警察、放火の疑いで79人逮捕 EU域内で過去最大規模の山火事続く

ギリシャ北東部で依然として猛威を振るう山火事の様子/Ayhan Mehmet/Anadolu Agency/Getty Images

2023.08.26 Sat posted at 13:30 JST

(CNN) ギリシャの警察が、放火に関連する容疑でこれまで79人を逮捕したことが分かった。政府の報道官が25日、公共放送局EPTに明らかにした。同国は欧州連合(EU)諸国で過去最大級の山火事に見舞われている。

首都アテネの北に位置するパルニサ山での山火事は、25日の時点でまだ沈静化せず、夜にかけてさらに多くの森が焼かれている。

また国内で最も規模の大きい山火事の範囲は、依然として北東部の町アレクサンドルポリスの近くに迫っている。

トルコとの国境に近い国立公園付近の路上では、男性1人の焼死体が見つかった。国営メディアが25日に報じた。

今週初めには北部の村の近くで18人の焼死体が発見された他、アテネでも山火事で1人が死亡した。

山火事の後、18人の焼死体が見つかった施設の焼け跡

キキリアス気候危機相は放火に関連した逮捕者が出たことを受けて声明を出し、「今起きていることは単に許されないだけでなく、不快かつ犯罪的だ」と強調。容疑者らは国家に対する罪を犯したとし、必ず司法によって責任を問われると述べた。

アレクサンドルポリスでの山火事による焼失面積は7万3000ヘクタールを超え、EU域内で過去に報告された山火事の中で最も大規模であることが正式に認められた。EU欧州委員会のレナルチッチ委員(危機管理担当)が明らかにした。

同委員はX(旧ツイッター)で、さらに激しい山火事が発生する事態も視野に入れ、各国並びに複数の国による予防と対応の取り組みを引き続き強化しなくてはならないと述べた。

ギリシャ全土でのここまでの焼失面積も13万ヘクタールと、欧州森林火災情報システム(EFFIS)によればEU加盟国の山火事では過去最大規模。

パルニサ山で取材するCNNのチームは25日、複数のヘリコプターが山火事に大量の水を落とす様子を目撃したが、当局の話によると夜間はヘリコプターの稼働を停止しなくてはならないため、消火作業は一段と難航しているという。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。