マウイ島山火事、膨大な経済損失額 最多1兆円超 米調査

山火事による被害が大きかったラハイナの上空からの様子/Patrick T. Fallon/AFP/Getty Images

2023.08.19 Sat posted at 16:19 JST

(CNN) 経済調査などを手がける米企業「ムーディーズ・アナリティックス」は19日までに、米ハワイ州マウイ島で起きた大規模な山火事に関連し、経済的な損失は膨大で深刻な景気後退をもたらすとの見通しを示した。

経済的な損失額は初期段階のまとめで、30億ドル(約4350億円)から75億ドル(約1兆875億円)の間と推定。年間の生産能力が約100億ドル相当のマウイ島の経済規模を考えるなら、被害額はとてつもない巨額に達すると報告書で指摘した。

これらの推定数字は過去の大型ハリケーンによる被害額と比べれば小さいものの、今回の災禍の規模を踏まえれば典型的な山火事の場合より多いと説明。米カリフォルニア州や他州で起きる多くの山火事より「凶暴性」が強く、かなりの人口密集地域に襲いかかったとした。

マウイ島が被った経済的な損失の多くは不動産被害によるものとも分析。これによる生産能力の喪失は約10億ドルとも見積もった。

家屋や車両の焼け跡が広がるラハイナの様子

一方、米の不動産関連情報企業「コアロジック」はこのほど、山火事で損傷を被った住宅の再建費用の総額は約13億ドルに達するとの暫定的な推定額を報告した。

同社によると、再建が必要な状態にある住宅はラハイナでは2808棟以上で、要する費用は11億ドルと算定。プレフ地区では275棟の約1億4700万ドル、プカラニ地区では5棟の約420万ドルと予想している。

ラハイナは同島の観光や経済活動の拠点で、人口は少なくとも9000人。マウイ島全体の住民数は約16万5000人。

マウイ島行政当局は、島の全面的な復興には数年間かかる可能性があるとしている。山火事では事業活動にも多大な損害が出ているが、コアロジックの今回の被害額にはこの分野での数字は含まれていない。

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