韓国で開催のスカウト世界大会、台風接近で会場撤収

数多くのテントが設営された「世界スカウトジャンボリー」の会場/Chung Sung-Jun/Getty Images

2023.08.08 Tue posted at 17:09 JST

ソウル(CNN) 韓国南西部セマングムで開催されているボーイスカウト・ガールスカウトの世界大会「世界スカウトジャンボリー」の参加者らが、台風の接近で予定より1週間早くキャンプ地から撤収することになった。大会では先週、連日の猛暑で数百人が体調を崩していた。

大会は1日に始まった。主催の世界スカウト機構(WOSM)によると、中高生を中心に4万人近い参加者が集まり、野外活動やパフォーマンス、ワークショップなどのプログラムが予定されていたが、異常気象に見舞われて変更を余儀なくされた。

WOSMは、韓国政府から参加者全員を早期撤収させるとの正式な連絡を受けたと発表した。台風6号は10日に韓国を直撃するとみられ、最大150ミリの雨が予想されている。

韓国の災害対策当局者によると、156カ国からの参加者約3万6000人を8日午前以降、1000台のバスでソウル首都圏へ避難させる。宿泊先や今後の活動については、首相と地方当局者らが協議するという。

会場ではこれに先立ち、熱波の影響で数百人の若者が体調を崩したほか、発疹や日焼け、虫刺されなどのトラブルが相次いでいた。

キャンプ会場を出発する準備を整える大会参加者ら

大会組織委員会を率いる金賢淑(キムヒョンスク)女性家族相によると、6日だけで1300人近くが会場内の診療所に駆け込んだ。

さらに参加者が食事や寝具、ベッドの不足を訴え、それを聞いた親たちがインターネット上で懸念を指摘した。

主催側は4日、清掃要員を7倍の500人あまりに増やすなどの改善策を発表。続いて尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が、会場に暑さをしのぐためのエアコン付きバスを派遣するよう指示し、衛生管理に全力を尽くすよう指示した。

しかし米国と英国、シンガポールの代表団はすでに先週末のうちに撤収し、大会の早期終了を求める声が高まっていた。ロイター通信によると、米代表団はいったん在韓米軍のハンフリーズ基地へ移動してから25日に帰国予定、英代表団はソウル市内のホテルで残りの滞在期間を過ごす。

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