アイルランドの歌手シンニード・オコナーさん死去、56歳 「愛の哀しみ」

パフォーマンスを披露するアイルランド人歌手シンニード・オコナーさん=1988年3月16日、オランダ・アムステルダム/Paul Bergen/Redferns/Getty Images

2023.07.27 Thu posted at 10:37 JST

(CNN) 「愛の哀しみ」などの曲で知られるアイルランドの歌手、シンニード・オコナーさんが死去した。同国の公共放送RTEが伝えた。56歳だった。

RTEが共有した遺族の声明には「愛するシンニードが亡くなったことを深い悲しみとともにお伝えします。彼女の家族や友人は打ちひしがれており、この困難な時期にプライバシーの尊重を求めています」とある。

現時点で死因は公表されていない。CNNはオコナーさんの代理人や家族に連絡を取っている。


パフォーマンスを披露するシンニード・オコナーさん=2003年、アイルランド・ダブリン/Getty Images

オコナーさんはピュアで歯切れの良い歌声で知られ、政治や精神性、歴史、哲学についての見解を表現する類いまれな作詞作曲の能力も兼ね備えていた。1987年のファーストアルバム「ザ・ライオン・アンド・ザ・コブラ」は批評家から絶賛されたが、アーティストとして一躍有名になったきっかけは90年の「蒼い囁き」だった。

同年には、米歌手プリンスさんの曲「ナッシング・コンペアーズ・トゥー・ユー」のカバー(邦題「愛の哀しみ」)がチャート1位に輝いた。髪を刈り上げ、黒いタートルネック姿のオコナーさんが登場するミュージックビデオが人気を押し上げた。

この曲はグラミー賞にノミネートされ、オコナーさんはMTVの最優秀ビデオ賞と最優秀女性アーティストビデオ賞も獲得した。

自宅で過ごす歌手シンニード・オコナーさん=2012年、アイルランド・ウィックロー州

以降のオコナーさんは相次ぐ論争に巻き込まれ、米テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演した際にはローマ教皇の写真を破った。その後はカトリック団体の聖職者になったほか、SNSで個人的な問題を打ち明けたり感情を爆発させたりしたこともある。

近年は依存症や精神疾患との闘いを公にしていて、2021年の回顧録で自分の体験を詳述した。

オコナーさんには3人の子どもが残されている。22年には当時17歳の息子を亡くしていた。

アイルランドの歌手シンニード・オコナーさん死去、56歳

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