ウクライナ駐英大使を解任、ゼレンスキー氏の発言を「皮肉」と指摘

ウクライナのゼレンスキー大統領がバディム・プリスタイコ駐英大使を解任した/Tom Nicholson/Reuters

2023.07.22 Sat posted at 11:42 JST

ロンドン(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、同国のバディム・プリスタイコ駐英大使を解任した。同大使は、英国のウォレス国防相による最近の発言に対してゼレンスキー氏が示した反応を批判していた。

ウォレス氏は、ウクライナが西側諸国による財政的な支援に対して十分な「感謝」を表明していないとの見方を示唆。プリスタイコ氏はゼレンスキー氏のウォレス氏へ向けた返答が「不健全な」皮肉になっていると指摘した。

ウクライナ大統領府は21日公開のウェブサイト上の声明でプリスタイコ氏の解任を確認したが、理由については言及しなかった。

今月リトアニアで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でウォレス氏は、「好むと好まざるとにかかわらず、人々は感謝の気持ちを目にしたがるものだ。ウクライナの戦争遂行に対し、西側が果たしている軍事的貢献への感謝を」と述べた。

「ウクライナ側には昨年の6月に伝えた。11時間かけて車を走らせ、リストを渡されたときのことだ。私はアマゾンではないと」(ウォレス氏)

今年2月、英チャールズ国王への謁見を終えバッキンガム宮殿を後にするゼレンスキー氏

これらの発言について、NATO首脳会議の際に記者団から問われたゼレンスキー氏は当惑した様子で、「彼が何を言わんとしているのか分からない。他にどうやって感謝を示せばいいというのか? 彼に文書で知らせてもらおう。人々に何と礼を言えば十分感謝したことになるのかを。何なら朝目を覚ますなり、大臣へ直々にお礼を申し上げてもいい」と話した。

翌日、プリスタイコ氏はこうしたやり取りについてスカイニュースでインタビューを受けた。ゼレンスキー氏の受け答えに「わずかな皮肉」が込められているのかどうか問われたプリスタイコ氏は、「ちょっとした皮肉」が込められていることを認めた。さらに「この皮肉が健全なものだとは思わない」と続けた。

その上で「ロシア側に対し、我々の間に何か問題があることを見せる必要はない。彼らには我々が協力していると認識させなくてはならない。たとえ何が起きようと、ベン(・ウォレス国防相)は私に連絡し、言いたいことを何でも言える」と強調した。

CNNはプリスタイコ氏にコメントを求めようと試みたが、連絡が付かなかった。

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