(CNN) ジョージア(グルジア)の首都トビリシ郊外で8日に開催される予定だった性的少数者の非公開イベントが、極右集団の暴力的な妨害で中止を余儀なくされた。
ジョージアの公共放送は、会場で警官隊と反対派のデモ隊が衝突する場面を伝えた。
イベント主催団体の「トビリシ・プライド」はツイッター上で、祭典が中止に追い込まれ、やむを得ず会場から退避したと報告。「内務省はまたしても、暴力的な極右集団から私たちを守ることを怠り、表現と集会の自由の行使に対する暴徒の妨害を容認した」と非難した。
インターネット上に投稿された動画には、警官隊と反対派のデモ隊が衝突する場面や、性的少数者らの象徴である虹色の旗に反対派が火を付ける場面が映っている。
トビリシ・プライドは、イベントを妨害したロシア系の極右団体がジョージア政府と協力関係にあると主張した。
これに対して、ジョージアの内相は記者団に、会場は警備が難しく、反対派が侵入路を見つけてしまったが、参加者や主催者を退避させることができ、けが人も出なかったと説明した。公共放送によると、国会議長は8日、政府として暴力を非難する姿勢を強調した。
一方でズラビシビリ大統領は、憲法が保障する平和的集会と表現の自由が侵害されたとの見方を示した。
国連や現地の米大使館、英大使らも暴力的な妨害行為を非難し、ジョージア当局に違法行為の責任追及を強く求めた。