米首都で逮捕の男、トランプ氏が投稿した「オバマ氏の住所」見て現地へ

テイラー・タラント容疑者は、連邦議会議事堂襲撃事件に関与した罪にも問われている/US District Court for the District of Columbia

2023.07.06 Thu posted at 13:53 JST

ワシントン(CNN) 米首都ワシントンにあるバラク・オバマ元大統領の自宅近くで大量の銃器などを持った男が逮捕された事件で、ドナルド・トランプ前大統領がオバマ氏の住所としてSNSに投稿した内容をこの男が再共有し、ライブ映像を配信しながら同地区を歩き回っていたことが分かった。検察が5日、ワシントン地区裁判所に提出した勾留延長請求で明らかにした。

逮捕されたテイラー・タラント容疑者は2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関与した罪に問われており、検察側はこの事件の裁判が始まるまで勾留を延長するよう求めている。オバマ氏の自宅付近で逮捕された事件についてはまだ立件されていない。

検察によると、タラント容疑者はケビン・マッカーシー下院議長と民主党のジェイミー・ラスキン議員も脅迫していたとされる。6月初めには別の数人と共にラスキン議員の自宅近くの小学校に侵入。同集団が学校周辺を歩き回り、体育館でプロジェクターを使って1月6日の事件に関連する映像を上映する様子をタラント容疑者がライブ配信していた。

タラント容疑者は、ラスキン議員の自宅に近いことからこの小学校を選んだと公言。ラスキン議員を狙ったのは、トランプ氏支持者のような「1月6日の人たち」を憎む人物の1人がラスキン議員だったからだと話し、自分は何も悪いことをしていないなどと主張していたという。

議事堂襲撃事件に関連して逮捕状が出ていたタラント容疑者は6月29日、オバマ氏の自宅近くで銃などを所持していて逮捕された。その前日にはインターネットのライブ配信で、自分は起爆装置を持っていると主張していた。

容疑者の車両からは銃器も見つかった

検察によると、タラント容疑者は6月28日、動画の中でマッカーシー下院議長に言及し、「マッカーシー、あんたの所へ行く。これから起きることは止められない」と発言。この「脅迫発言」を見た司法当局がタラント容疑者の居所を探そうとしたが、突き止めることはできなかった。

翌29日、トランプ前大統領は、オバマ元大統領の住所だと主張する内容をSNSのトゥルース・ソーシャルに投稿。タラント容疑者は自身のトゥルース・ソーシャルのアカウントを使ってこの住所を再投稿した。続いてタラント容疑者はテレグラムに「我々は敗者を包囲した。地獄で会おう、ポデスタ一家、オバマ一家」と書き込んだ。

その直後、タラント容疑者は再びユーチューブでライブ中継を始めた。この時はワシントン市内のカロラマ地区を走行していた。

やがてタラント容疑者は車を止め、同地区を歩き回り始めた。シークレットサービス(大統領警護隊)は、同容疑者が歩きながら撮影を始めた直後から監視を続けた。

シークレットサービスの監視に気付いたタラント容疑者は、通りを外れて公園の方に向かい、シークレットサービスが近づくと逃げようとしたが、取り押さえられて逮捕された。同容疑者の車の中からは、銃2丁や数百発の銃弾、なたなどが見つかった。

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