(CNN) 夕食時の人気ピザ店は、大勢の客で込み合っていた。27日午後7時30分すぎ、ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクにロシアのミサイルが着弾し、11人が死亡。戦争のさなかで日常生活を送るウクライナ国民の現実を、改めて見せつけた。
当局によると、死者の中には17歳の少女と、14歳の双子の姉妹が含まれていた。救急隊によれば、負傷者は赤ちゃんも含めて少なくとも61人に上り、今後さらに増える可能性もある。
救助隊は今もがれきをかきわけて捜索する作業を続けているが、27日夜には再び空襲警報が鳴り、作業が一時中断した。
クラマトルスクは前線から約25キロの地点にあり、これまでにもロシアの攻撃を受けていた。
それでも街はにぎわいを保ち続け、特にピザ店の周辺は郵便局、宝飾店、カフェ、ドラッグストアなどが並んで大勢の人が行き交う地域だった。大型スーパーマーケットもすぐ近くにあった。
同地は戦線に近いことから、ひと時の憩いを求める兵士たちにも人気がある。
救助活動を支援していたウクライナ兵がCNNに語ったところによると、犠牲者の大半は若者や軍人、民間人で、小さな子どもたちもいた。
被害に遭ったレストランのうち1軒では当時、45人の宴会が開かれていたという。
ドネツク州の軍政当局トップ、パブロ・キリレンコ氏は、攻撃には高精度短距離弾道ミサイル「イスカンデル」が使用されたと語った。
クラマトルスクへのミサイル攻撃、現地の惨状