(CNN) カナダで続く大規模な森林火災の煙によって、米東海岸から中西部にかけての一帯で大気汚染が深刻化し、米人口の3分の1以上にあたる1億2000万人あまりを対象として警戒が呼びかけられている。
イリノイ州シカゴ、オハイオ州クリーブランド、ミシガン州デトロイトといった大都市の大気汚染は、最悪級のに分類された。29日にはある程度改善する見通し。
カナダ省庁間森林火災センターによると、今シーズンは各地で数百件の火災が続く史上最悪の状況となっており、250件以上は「制御不能」状態に陥っている。
米国ではニューヨークなど多数の州で大気汚染に対する警戒が呼びかけられている。ニューヨーク州知事は28日、対象を州全域に拡大。ニューヨーク市では駅や公園などでN95マスクが配布された。
住民に対しては空調の効いた屋内にとどまるよう勧告し、地域によっては外出する際のN95マスク着用を促している。
ペンシルベニア州からアイオワ州にかけての大気汚染は「非常に不健康」とされ、子どもや高齢者だけでなく全住民の健康に悪影響を及ぼす恐れがある。デトロイト東部と北部の一部地域は28日午前、米政府の大気質指数で「健康に関する緊急事態」とみなされる「有害」レベルに到達した。
シカゴ、デトロイト、インディアナポリスなども28日午前、「非常に不健康」な圏内に入った。煙はミズーリ州セントルイス、オハイオ州シンシナティ、ケンタッキー州ルイビルにまで南下し、不健康レベルの大気汚染を引き起こしている。
カナダの火災による煙=米ミシガン州のアッパー半島とロワー半島を結ぶマキナック橋/The Mackinac Bridge Authority
シカゴやインディアナポリス、ピッツバーグなどの各地には28日、大気質の警告を意味する「コードレッド」の警報が出された。
この影響で動物園やプールといった施設の休園や、コンサートやイベントなどの中止が各地で相次いでいる。