(CNN) シンガポール警察が5年あまりの試用期間を経て、ロボット2台をチャンギ空港に配備した。全土で第一線の警官を補佐するロボットの「第1陣」と位置付けている。
4月から空港内のパトロールを開始したロボットは、警察の存在感を高め、「地上の目」を増強する役割を担う。
事件が発生すれば非常線を張り、ウインカーやサイレンやスピーカーを使って周りの人たちに警戒を呼びかけながら、人間の警官の到着を待つことができるという。一般の人がロボットの前面のボタンを押して警察と直接連絡を取ることもできる。
シンガポール警察は16日、全土で段階的にロボットの配備を増やすと発表した。空港警察は、ロボットを組み込むことで、第一線の警官の職務効率や能力を高めることができると説明している。
ロボットはそれぞれ音声を流すスピーカーと映像を伝える背面液晶パネルを搭載。高さは約1.7メートルで、マストを伸ばすと最大2.3メートルになる。複数のカメラを使って周囲を360度見渡すこともできる。
シンガポールでは2018年と22年にも、パレード警備にロボットが投入されたことがある。
コロナ禍ではロボット犬を使って他人との距離の確保を徹底させていた。全土の駅や空港で清掃ロボットを見かけるのは普通になった。
チャンギ空港でロボットに遭遇したという米国人旅行者のサムウェル・スワントさんは「まるで『ブラック・ミラー』のドラマから出てきたような光景だった」と語り、好奇心に駆られて近づいてみると、ライトが点灯してカメラが張り出してきたと話している。