(CNN) インドの首都ニューデリーで28日、レスリング連盟会長による性的嫌がらせ被害を訴えて抗議運動を展開していた女子レスリングの有名選手が、相次いで警察に拘束された。
ニューデリー中心部ではこの日、モディ首相が新しい国会議事堂の落成式を行っており、選手たちは国会議事堂に向かってデモ行進しようとしていた。
拘束されたデモ参加者の中には、オリンピックに出場したビネシュ・フォガット選手やサルシ・マリク選手も含まれる。
マリク選手によると、参加者が国会議事堂に向かって平和的にデモ行進していたところ、警官とのもみ合いが起きた。
マリク選手は警察車両の中から記者団に対し、警官がデモ参加者を「強制的にひきずり出して拘束した」と訴え、そのまま車で連行された。その後、マリク選手は釈放された。
デリー警察は28日、デモ隊が警察のバリケードを破り、警察の指示に従わなかったと記者団に語った。
選手たちによれば、警察はデモ参加者が集まっていた野営地も解散させたが、一部の参加者はまだその場所に残っているという。
選手たち数十人はインドレスリング連盟(WFI)のブリジ・ブシャン・シャラン・シン会長による性的嫌がらせを訴え、支持者と共に先月から抗議運動を続けていた。
シン会長は与党インド人民党(BJP)の有力政治家で、新しい国会議事堂の落成式にも出席していた。性的嫌がらせについては警察が捜査を行っている。
シン会長は性的嫌がらせを全面的に否定し、抗議運動は背後で野党が関与していると主張しているが、その裏付けとなる証拠は示していない。
フォガット選手は28日に釈放された後、民主主義が「殺害された」と語り、「一方で首相が民主主義の新しい建物の落成式を行い、他方で国民が逮捕され続けている」と訴えた。