(CNN) 28日に投開票されたトルコ大統領選の決選投票で、現職のエルドアン大統領が当選した。
高等選挙委員会(YSK)が同日発表したところによると、開票率99.43%の時点でエルドアン氏の得票率は52.14%。対立候補の野党指導者、クルチダルオール氏の47.86%を上回った。
エルドアン氏は首都アンカラ市内の大統領府前で、支持者らに「選挙期間についての議論や争いは全て忘れ、国家の目標と夢に向けて団結する時だ」と演説。「われわれだけが勝者ではない。勝者はトルコであり、わが国の社会全体であり、民主主義だ」と呼び掛けた。
同氏は政府の主な優先課題として、インフレ対策と2月の大地震からの復興を挙げた。
選挙結果を受けてロシア、カタール、アルジェリア、ハンガリー、イラン、パレスチナ自治政府などがいち早くエルドアン氏に祝意を表した。
クルチダルオール氏はアンカラ市内の党本部で、今後も「真の民主主義」を実現するために闘い続けると表明。「わが国の歴史上、最も不公正な選挙だった」と批判しつつ、「この選挙によって、権威主義政権を変えたいと願う人々の意思が明確になった」と主張した。
クルチダルオール氏の顧問はエルドアン氏の勝利を認めたうえで、同氏が選挙期間中に緊張をあおったと非難し、多大な犠牲を払って勝つことを意味する「ピュロスの勝利」だと評した。
クルチダルオール氏は野党6党の統一候補として、20年に及ぶエルドアン政権の交代を目指した。14日の第1回投票は同氏が優勢と伝えられていたが、実際にはエルドアン氏が5ポイント近くリードしてトップに立った。ただし過半数には届かず、両氏が決選投票で対決した。