米動物園がキーウィ触れ合い動画、国鳥の待遇にニュージーランド国民憤り

キーウィを来園者に触れさせていた米動物園に批判が集まり待遇を改善する結果となった/Zoo Miami

2023.05.25 Thu posted at 16:11 JST

(CNN) 米フロリダ州マイアミの動物園が、ニュージーランドの国鳥キーウィを来園者に触れさせる動画をめぐって批判の的になり、触れ合いを中止すると表明して謝罪した。

抗議運動が巻き起こったのは、マイアミ動物園がSNSに投稿した動画がきっかけだった。動画の中のキーウィ「パオラ」は人工照明で起こされ続け、来場者に触れられていた。

この動画をツイッターに掲載した野生生物写真家のホリー・ニールさんは、動画の中のキーウィについて「夜行性なのに日中も起こされ続けている。暗い箱に逃げ込むと、ふたをあけられた」と憤った。

「23.36米ドルを支払えば、マイアミ動物園が夜行性で絶滅危惧種のキーウィを強制的に人工照明の中に入れて触らせてくれる。このキーウィの置かれた状況にひどく憤慨した」(ニールさん)

長いくちばしで地面を探るサザンブラウンキーウィ

保護団体によると、ニュージーランドに生息するキーウィの個体数は、かつての約1200万羽から6万8000羽程度にまで激減している。

ネット上では間もなく「虐待されたキーウィを救おう」と呼びかける署名運動が開始され、数千の署名が集まった。

この運動はニュージーランド政府の目にも留まり、自然保護局が「米動物園・水族館協会と協議して、飼育や扱いに関する懸念に対応する」とツイートした。

批判を受けてマイアミ動物園は謝罪声明を発表し、キーウィとの触れ合いを直ちに中止すると表明。常に隠れる場所があり、自然の本能に配慮した飼育舎の建設計画を進めると約束した。

パオラ窮状のニュースはニュージーランドのクリス・ヒプキンス首相にまで届いた。ヒプキンス首相は「国民は海外にいる我が国の国鳥を誇りとし、キーウィが虐待されていれば行動を起こす」と記者団にコメントしている。

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