ロシアのスパイ? シロイルカに近寄らないで ノルウェーが動物の安全懸念

カメラ付きの特製ハーネスを装着した姿で発見されたシロイルカ/Jorgen Ree Wiig/Norwegian Directorate of Fisheries/Sea Surveillance Service

2023.05.25 Thu posted at 11:12 JST

(CNN) ロシアのスパイかもしれないといわれる有名なシロイルカについて、ノルウェー漁業総局は24日、イルカがけがをしたり死んだりする事態を避けるため、接触を避けてほしいと呼びかけた。

「バルジミール」と名付けられたシロイルカは2019年、カメラ付きの特製ハーネスを装着した姿で現れ、世界の注目の的になった。専門家は、ロシア軍に訓練されたイルカかもしれないと推測している。

ノルウェー漁業総局によると、バルジミールは19年以来、同国の沿岸部を移動しながら何カ所かにとどまっており、「魚が捕れる漁場でたっぷり餌を食べながら滞在する傾向がある」という。

バルジミールはボートを追いかけて人と遊ぶことでも知られる。現在はボートなどが密集するオスロフィヨルド湾にいることから、人と接触してけがをするリスクが大幅に高まったと漁業総局は指摘する。シロイルカはノルウェーで保護種に指定されている。

ノルウェーの海岸に現れたシロイルカ

これまでに発生したのは、主にボートとの接触でバルジミールが軽傷を負うという軽微な事案のみだったと漁業総局は説明。たとえ人懐こいイルカが相手でも距離を保つ必要があると述べ、「イルカがけがをしたり、最悪の場合はボートと接触して死んだりする事態を避けるため、特にボートに乗る人は十分な距離を保ってほしい」と呼びかけている。


発見されたシロイルカは船を追いかけることがある/Jorgen Ree Wiig, Norwegian Directorate of Fisheries/Sea Surveillance Service

漁業総局は、そうした危険を考慮してこのイルカを捕獲すべきかどうかについて、これまでは「問題のイルカは自由に生きる動物であり、捕獲しておりに入れる理由はない」と判断していた。

しかし現在は危険が大きい場所にいて、捕れる餌も限られていることから「違う措置を検討する」とした。ただし確固たる結論を出すのはまだ時期尚早だとしている。

カメラ付きベルト装着のシロイルカ発見、ロシア軍が訓練か

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