(CNN) スペインサッカー1部リーグのレアル・マドリードに所属する黒人スター選手、ビニシウス・ジュニオール選手に対する人種差別的言動の事案に関連し、同国警察は23日、7人を逮捕した。
警察によると7人のうち4人は今年1月、ビニシウス選手をかたどった人形を橋から吊(つ)り下げた疑いで拘束された。他の3人の逮捕容疑は、21日のバレンシア戦で同選手に向けられた人種差別的な侮辱行為への関与だという。
現在どちらの事案も「ヘイトクライム(憎悪犯罪)」として扱われている。
人形の件は1月26日、 マドリード市内にあるレアル・マドリードの練習場付近の橋で発生。SNS上で広く閲覧された動画には、人形と共に「マドリードはレアルが大嫌い」と書かれた横断幕が掲げられた様子も映っていた。
警察は声明で、目撃者への聞き込みや公開されたデジタル情報などから証拠を集め、4人の容疑者を割り出したと説明。4人のうち3人は、地元マドリードを拠点とするフットボールクラブの過激なファン集団のメンバーだとした。
バレンシア戦の件での容疑者3人は、年齢が18~21歳。それぞれ別々の場所にいたところを逮捕されたという。警察の広報担当部署がCNNに明らかにした。
ビニシウス選手は過去2シーズン、スペインリーグでの試合中、何度もスタンドから人種差別的な行為を受けてきた。直近のケースとなったバレンシア戦での侮辱行為は審判による公式の試合報告に後半の出来事として記録されたほか、試合の動画でも確認できる。
ジュニオール選手との結束を示すため、リオデジャネイロにあるコルコバードのキリスト像の照明が消された=22日、ブラジル・リオデジャネイロ/Carlos Fabal/AFP/Getty Images
ブラジルのルラ大統領は22日、ビニシウス選手の擁護に回り、スタジアムでの人種差別的行為を非難。国際サッカー連盟(FIFA)や各国のリーグが行動を起こすことが重要だとの見解を表明した。