家事をやらない男性を監視? スペイン政府がアプリ提供

アプリのユーザーは家事に費やす時間を入力できる/Maskot/Getty Images

2023.05.19 Fri posted at 17:09 JST

(CNN) スペイン平等省が両性の平等を推進する計画の一環として、家庭内の家事分担を監視するアプリを立ち上げると発表した。

この計画は平等省のナンバー2、アンヘラ・ロドリゲス氏が16日、スイスのジュネーブで開かれた国連女性差別撤廃委員会で発表した。

「家事に費やす時間は女性の方が男性よりはるかに多い」とロドリゲス氏は述べ、アプリでは家族それぞれが家事に費やした時間を入力できると説明した。

「とても単純なこと」とロドリゲス氏は言い、同アプリは食事代などの割り勘計算アプリのような使い方ができると話している。

昨年12月に発表されたスペイン国家統計局の調査によると、家事を主に負担しているという回答は女性が45.9%だったのに対し、男性は14.9%にとどまった。

講演を行うアンヘラ・ロドリゲス氏=5日、マドリード

ロドリゲス氏は、あらゆる種類の作業を家事としてアプリに入力しなければならないと強調する。

例えば皿洗いは当然として、その前に誰かが食材の買い物をして、その日の献立を立て、料理をする必要があると指摘。「そうした作業や精神的負担を全て、ほぼ全面的に女性が担っていることが、この調査で判明した」とした。

アプリは夏までに提供を開始する予定で、夫婦だけでなく、両親と子ども、あるいは同居人で構成される家庭にとっても役に立つとしている。

ロドリゲス氏はツイッターにも「家事アプリに憤慨している人はみんな、本当のところは自分が家事を分担しなければならない可能性に憤慨している」と書き込んだ。

スペインでは左派のペドロ・サンチェス首相が2018年、ジェンダー問題に力を入れると公約して就任し、「共同責任」計画を打ち出した。

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