(CNN) スペインで開かれたテニスのマドリード・オープンで、ボールガールの服装や女子決勝に進出した選手の発言封じ、選手に贈られたケーキの大きさの差などをめぐって主催者に対する批判が次々に噴出した。
大会会場のメインコートでは、ボールガールにヘソ出しのクロップトップとミニスカートという服装をさせたことで、主催者が批判を浴びた。7日の決勝ではミニスカートがロングショーツに変更されたが、クロップトップはそのままだった。
「あれは女子を女っぽく見せる扱いだった。男子はあんな服装はしないのに」。女子プロスポーツ協会の広報はスペインのメディアにそう語り、「これは性差別的な暴力の一形態だ。みんな気付いてさえいないから、これほど蔓延(まんえん)している」と訴えた。
CNNスポーツは大会主催者とスポーツマネジメント会社のIMGにコメントを求めたが、返答はなかった。
性差別批判はこれで終わらなかった。7日の女子ダブルス決勝に出場した選手たちは、試合後の発言が認められなかったとして主催者を非難した。
優勝したベアトリス・ハッダッド・マイアとビクトリア・アザレンカのペアも、敗れたジェシカ・ペグラとココ・ガウフのペアも、表彰スピーチは行わなかった。
ガウフは「今日の決勝後、話すチャンスをもらえなかった」とツイートし、アザレンカは「ママが授賞式で息子にハローと言えないことを、レオに説明するのが難しい」と打ち明けた。
BBCによると、ペグラは「あんな決定をするなんて、一体何世紀に生きているんだか」「どんな会話をして『おお、これは素晴らしい決断だ。これに対する反発はないだろう』という判断になったのか」と嘆き、「発言ができないなんて私の人生で聞いたことがなかった。本当にがっかりした」と告白。「そのこと自体が物語っている。表彰式では発言できないと告げられて憤慨した。ある意味、これで証明された」と話している。
世界ランキング7位のオンス・ジャバーも「悲しい、容認できない」と憤り、かつて4大大会でダブルスを制したレネ・スタブスは「不名誉」と形容した。
今年のマドリード・オープンでアザレンカが大会主催者を批判したのはこれが2回目だった。男子シングルスで優勝したカルロス・アルカラスと、女子シングルスで優勝したアリーナ・サバレンカは共に5月5日が誕生日。しかしそれぞれに贈られたバースデーケーキの大きさの違いを示す写真を、ファンがツイッターに投稿した。
アザレンカはこの投稿に「これ以上ないほど正確な扱い」とコメントしている。
それに対して大会ディレクターを務めるフェリシアーノ・ロペス元選手(元世界ランキング12位)は「このジェスチャー後のこの反応に驚いた」とコメント。アルカラスが多段ケーキを贈られたのに対し、サバレンカが1段ケーキだった理由について、アルカラスはちょうど決勝に進出したばかりで、メインコートの試合に登場しており、地元スペインのファンに人気があるなどと説明した。
ロペス元選手は最後に「追伸。ホルガ・ルーネも自分の待遇に憤慨していないことを願う」と締めくくり、ウインクの絵文字と男子選手のホルガ・ルーネに贈られたケーキの写真を添えた。ルーネも今大会中、1段ケーキを贈られていた。