(CNN) 中国で労働節の連休を迎え、万里の長城から上海の外灘に至るまで主要観光地に国内からの観光客が殺到している。3年間にわたった厳格なコロナ規制が解除され、観光客は再び大勢で旅行に繰り出すようになった。
中国国営の中央テレビ(CCTV)の1日の報道によると、4月29日から始まった5日間の連休中の旅行者は2億4000万人を超え、コロナ禍前の2019年の水準に比べて20%以上増える見通し。
北京文化観光局によると、連休初日に北京を訪れた観光客は200万人近くに上り、昨年から倍増した。
重慶の千厮門大橋に向かう観光客/VCG/Getty Images
上海観光統計によると、上海ではこの週末に700万人以上の観光客が訪れた。上海ディズニーランドの入場券は5月3日まで売り切れとなっている。
兵馬俑(へいばよう)で有名な西安の警察は、2つの遺跡にはさまれたショッピング街に近付かないよう、観光客に注意を呼びかけた。
4月29日には中国鉄道の利用回数が過去最高の1970万回を記録し、30日は1800万回と予想されていた。
地元住民からは戸惑いの声も出ている。大手SNSの微博(ウェイボー)に「なんでこんなに人が多いの? マクドナルドにも行けない」と書き込んだユーザーもいた。
旅行予約サイトの「Trip.com」によれば、飲食店や小売店が休業し、コロナのために旅行が難しかった昨年に比べると、国内予約だけで8倍に増えている。
国営メディアによると、今年は連休の何週間も前から宿泊施設が売り切れて価格を押し上げた。事前に安い料金で取った予約がキャンセルされ、高い料金で予約し直すことを強いられたという苦情も相次いでいるという。
武漢の人気施設に人が並ぶ/Stringer/Getty Images