米韓首脳会談、北朝鮮の抑止で合意 核武装潜水艦の派遣を約束

バイデン米大統領(右)と韓国の尹錫悦大統領=26日、ホワイトハウス/Jonathan Ernst/Reuters

2023.04.27 Thu posted at 09:02 JST

(CNN) バイデン米大統領と訪米した韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は26日、北朝鮮の抑止を目的とする新たな合意をホワイトハウスで発表した。抑止策の一環として、米国は1980年代初め以来となる韓国への核武装潜水艦の派遣を約束した。

バイデン氏はホワイトハウスでの共同会見で、両国の「鉄壁」の同盟を歓迎。「米韓同盟は戦時に形成され、平時に繁栄してきた」とし、「我々の相互防衛条約は鉄壁であり、そこには抑止拡大に向けた我々の決意も含まれる。核の脅威、核の抑止も含まれる」と述べた。

そのうえで「北朝鮮が脅威を増大させ、米国の制裁にあからさまな違反する中、これらは特に重要になる」と付け加えた。

今回の合意は数カ月前から両国の当局者間で行われてきた議論の成果となる。当局者の一人によると、新たな合意では、戦略資産の定期的な派遣を通じ、抑止をより目に見える形で示す米国の意向に言及。そこには1980年代初め以来となる弾道ミサイル原潜の韓国への派遣も含まれるという。

複数の当局者は、こうした資産を常駐させることはなく、朝鮮半島に戦術核兵器を配備する計画もないと明確にした。

両国首脳夫妻がワシントンにある朝鮮戦争戦没者慰霊碑を訪れる

拡大抑止を強化するという決定は、北朝鮮の核開発の抑止が停滞していると認めたことに等しい。北朝鮮がミサイル実験を強化し、新たな核実験の準備を進めている可能性もある中、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記との外交の試みはほぼ実を結んでいない。

バイデン氏は記者会見で金総書記に対する厳しい警告を発し、「北朝鮮による米国やその同盟国、パートナー国への核攻撃は受け入れられない。そうした行動を取れば、いかなる政権であっても終わりを迎える」と述べた。

今回の訪問は米国がインド太平洋の同盟国との関係を重視していることを示す。バイデン氏は1週間後にフィリピンのマルコス大統領を迎える予定で、数週間後には自らアジアを歴訪する。

バイデン氏は記者会見で日米韓3カ国の関係にも言及し、尹氏の取り組みを称賛。「日本との外交を進める大統領の政治的な勇気と個人的な取り組みに改めて感謝したい」と表明した。

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