ニューヨーク(CNN) 米玩具大手マテルの人形バービーのシリーズに、ダウン症のある女の子が初めて加わった。
子どもたちに美しさのダイバーシティー(多様性)を伝え、障害への否定的な見方を取り除こうとする「ファッショニスタ」シリーズの新モデル。これまでに義足や補聴器、車いすを使うバービー、白斑のあるバービーなどが発売されてきた。
新モデルでは、全米ダウン症協会(NDSS)と協力し、医学専門家の監修の下で、ダウン症がある人の体格や顔の特徴、ダウン症でよくみられる手相まで、正確に反映するよう努めた。
NDSSのキャンディ・ピッカード会長は、多様な個性を認め合い、ともに活動するインクルージョン(包摂)への大きな前進だと歓迎した。
新たなバービーは足首を支えるピンクの装具を着け、足底装具に対応するファスナー付きのスニーカーをはいている。
ワンピースの柄にはダウン症啓発運動のシンボルマークである蝶や、シンボルカラーの黄色と青を取り入れた。
ダウン症は染色体22対のうち21番目が3本あるために起きることから、啓発運動には3本の染色体を示す矢のマークが使われる。ピンクのネックレスには、このマークを採用した。
バービーは1959年の発売から数十年間、常に白人で金髪、ウエストが細くて胸が大きく、非実用的なハイヒールをはいた人形だった。
マテルは2016年に売り上げの伸び悩みを受け、より現実的なモデルを導入。体格4種類と肌の色7種類、目の色22種類、髪型24種類のバービーが選べるようになった。ファッショニスタのシリーズはその3年後に誕生した。
マテルのバービー部門を率いるリサ・マックナイト上級副社長は、「すべての子どもたちに自分と同じバービーを見つけてもらうこと、自分と違う外見の人形で遊んでもらうことが私たちの目標」「ダウン症のあるバービーの発売で、遊びを通したインクルージョンの尊重という取り組みをさらに進めることができた」と強調した。