日本の統一地方選 Z世代が当選、最年少市長や外国にルーツ持つ議員も誕生

市長としては史上最年少での当選となった高島崚輔氏/takashimaryosuke.jp

2023.04.26 Wed posted at 16:42 JST

東京(CNN) 団塊の世代やミレニアル世代に代わり、より若い世代が日本の政界に足を踏み入れ始めた。

日本で先ごろ行われた統一地方選で、多くのさまざまな新顔が全国的に注目を集めた。支持者からは、保守的な高齢男性が中心となって運営されてきた政府に対する変化を歓迎する声があがっている。

国際的な議員交流団体「列国議会同盟」のデータによれば、日本の議員の大部分は50~70歳で、男性が75%を占める。

公共放送NHKによれば、注目を集めたのは兵庫県芦屋市長選で当選した26歳の高島崚輔氏。市長としては史上最年少での当選となった。高島氏は昨年、米ハーバード大学を卒業。ハーバード大では環境工学を専攻していた。

NHKによれば、これまでの最年少市長は1994年に27歳で当選した志々田浩太郎氏だった。

高島氏はグリーンインフラの計画を掲げて選挙戦を展開。公共空間や公園の増設を打ち出したほか、教育や育児、若者に対する医療などでの改革も約束した。高島氏は5月1日に市長に就任する。

平塚市の市議会選に当選した26歳のユーチューバー、平塚YouTuberしん氏

神奈川県平塚市の市議会選には、26歳のユーチューバー、平塚YouTuberしん氏が出馬し、当選を果たした。

同氏は、ポケモンカードの買い取り専門店を経営しているが、ユーチューブのチャンネルで地元の店舗やイベントなどの紹介をしていることでも知られる。最も人気の動画は、平塚市でおすすめのラーメン店10選を紹介したものだ。

そうした動画を撮影したり地元企業のオーナーと会話したりするなかで困りごとや不満を耳にするうちに、市政への挑戦を決めたという。

ウェブサイトでは「日本の政治家の高齢化は進んでいます。平塚には高校が多く、大学もあり若者が暮らしていることも間違いありません」などと語っている。

3歳の息子を育てるシングルファーザーであり、選挙戦では育児の問題に注力した。高齢化と労働人口の減少が急速に進むなか、親への支援やワーク・ライフ・バランス、高齢者に対する支援の必要性を訴えた。

那須野純花氏(25)もZ世代の政治家で、川崎市議に当選した。選挙区ではトップ当選だった。

那須野氏は当選後、ツイッターへの投稿で、支援者に謝意を示し、ここからが議員としてのスタートであり、地元のために一生懸命汗を流したいと述べた。

衆院千葉5区補欠選挙で出馬し、初当選を果たした英利アルフィヤ氏

今回の選挙では、英利アルフィヤ氏(34)も注目を集めた。英利氏の両親はウイグル系とウズベク系で、女性の権利向上やジェンダー平等を支持している。

英利氏は衆議院の補選に出馬した。亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」によれば、ウイグル系の女性で国会議員に選出されたのは英利氏が世界で初めて。世界ウイグル会議は、英利氏の当選について、日本のウイグル人社会と世界に離散しているウイグルの人々にとって重要だと述べた。

ウイグル族の人々の多くは中国の新疆ウイグル自治区で暮らしているが、中国政府はウイグル族に対して人権侵害を行っていると非難されている。国連は昨年9月に報告書を発表し、そうした行為を「人道に対する罪」と呼んだ。米国は以前、中国がウイグル族やその他のイスラム系少数民族を最大200万人収容所に拘束していると非難した。中国政府はこうした申し立てを繰り返し否定している。

英利氏は日本人以外を祖先に持つ数少ない国会議員のひとりともなった。

英利氏は日本で生まれて、子ども時代に中国に渡った。その後、米ジョージタウン大学で学び、国連に勤務した。ウェブサイトによれば、留学中にウイグル族の問題について学んだ。ブログへの投稿のなかで、ウイグル族に対して行われている悲惨な弾圧と人権侵害を批判している。

同氏は、日本の男性が中心の政治や社会に光を当て、男女の賃金格差をはじめ、女性の家事や育児の負担の不平等、男性の育児への参加といった問題を取り上げている。

英利氏は昨年のブログへの投稿で、33歳の働く女性の出馬は、世界に対して、日本は前に進むというメッセージを送るものだと訴えていた。

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