庭にボールが転がり込んで銃撃、近所の親子負傷 逃亡の24歳男を逮捕 米

逮捕されたロバート・シングルタリー容疑者(24)/Gaston County Police

2023.04.21 Fri posted at 11:17 JST

(CNN) 米ノースカロライナ州シャーロットビル近郊で、6歳の女の子と両親が近所の住民の男に銃撃されて重軽傷を負う事件があった。目撃者は、この男の庭にバスケットボールが転がり込み、男が発砲したと証言。警察が行方を追っていた男は20日、フロリダ州で当局に出頭して逮捕された。

逮捕されたのはロバート・シングルタリー容疑者(24)。ノースカロライナ州ガストン郡警察は、銃を持った危険人物として行方を追っていた。

ガストン郡の発表によると、シングルタリー容疑者は自ら出頭してきたが、身分証明書を持っていなかったため、フロリダ州ヒルズボロ郡保安官事務所が対応に当たり、身元が確認された。21日に身柄の引き渡しに関する審問が予定されている。

事件が起きたのは18日。複数の目撃者の証言によると、シングルタリー容疑者の庭にバスケットボールが転がり込み、取りに行った子どもたちをシングルタリー容疑者が怒鳴りつけた。そこで1人の子どもの父親がシングルタリー容疑者の家を訪ね、「子どもをののしるのはやめてほしい。問題があるのなら私に言ってくれれば話し合いで解決できる」という趣旨を伝えたという。

いったん家の中に入ったシングルタリー容疑者は、銃を持って出てくると、近所の住民に向けて発砲し、6歳の女の子と両親が負傷した。

顔に残った傷を記者団に見せる6歳のキンズリーさん

6歳のキンズリーさんは頬を撃たれたといい、「私が中に入るのが間に合わなかったので、彼はお父さんの背中を撃った」とCNN提携局WBTVに話している。

母のアシュリー・ヒルダーブランドさんは、医師に娘の頬から銃弾の破片を摘出してもらったと語り、自身も銃弾がひじをかすめたと証言。自分たちはバスケットボールとは無関係で、一家で屋外バーベキューをしていて、娘は自転車に乗っていたと話している。

警察は、何が発端で18日夜の発砲事件が起きたのかについて、捜査を理由に確認していない。

ガストン郡警察は19日、銃撃された父親(家族によるとウィリアム・ホワイトさん)について、重傷を負って入院していることを明らかにした。

ホワイトさんの母親のデビー・ホワイトさんはショートメールでCNNの取材に応じ、「息子は痛みがひどく、(容疑者が)逃走しているのに自分は病院にいて妻と子どもを守ることができず、家族のことを案じている」と打ち明けた。

警察の発表によると、女の子と母親は手当てを受けて帰宅した。もう1人の男性も発砲されたがけがはなかった。

銃撃事件のあったエリア=米ノースカロライナ州ガストン郡

現場にいた数人の住民がCNNに語ったところによれば、シングルタリー容疑者は数週間前に引っ越してきたばかりで、以来、子どもたちが自分の庭に入ったといって怒鳴りつけることがたびたびあったという。

シングルタリー容疑者が逃走を続ける間、住民たちは不安を募らせ、また戻って来るかもしれないと考えると怖くて眠れないという住民もいた。

シングルタリー容疑者は昨年12月、交際相手の女性をハンマーで殴って自宅に監禁したとして暴行と監禁の罪で訴追され、同月15日に保釈されていた。

米国ではこの1週間で、些細(ささい)な間違いが原因で子どもや若者が銃撃される事件が相次いだ。

一連の事件は、市民が持つ銃の数の方が人口よりも多い国の現実を見せつけている。

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